『師範学校国文教科書』巻六
ネットオークションで見つけて買いました。大正13年のものです。
当時、師範学校の国語の教科書にはどんな作品が載っていたのか、ということに興味を抱いて、手を出してしまいました。
目次です。
続き。
内容は、評論やら小説やら、様々ですね。古典は中世のものが多いです。この本は巻六ですので、巻によって特定の時代の作品を集めているとか、そういった方針があるのかもしれません。1冊だけでは何とも、です。
目次の最後にある「附録」が興味深かったです。
「一 発音に関する問題」は以下の通りです。
当時は歴史的仮名遣いだったので、特に1、2などが問題になったのでしょう。現代では解決済みでしょうね。3は、現代においては、鼻濁音を使うべきところではそうすることが望ましい、と言われることもありますけど、強制はされていませんね。4は、現代ではあまり問題にされていないように思います。
末尾に「訛音矯正」という語がありますね。訛音は矯正すべきものという前提があったことが推測されます。
この教科書の奥付は以下の通りです。
「附録」が、初版の明治36年の時点からあったのか、あるいは、その後の訂正、修正のどこかの段階で付け加わったのかは分かりません。
「二 文字に関する問題」や「四 単語に関する問題」もなかなか興味深いです。小出しにするわけではありませんが、また後日。
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