« 難波津木簡と古今集仮名序の講演会 | トップページ | 「東海道五十三次はんじ物」 »

2018年2月16日 (金)

「無筆重宝国尽案内」

 ネットオークションで『日本古絵図集成』を入手しました。
Koezu01 古絵図の複製がたくさん入っています。みなバラで、綴じてはありません。日光東照宮の絵図とか、善光寺の絵図とか、奈良名所絵図など、社寺や特定地域の絵図が多く、広域地図はほとんどありません。

 そんな中で、「無筆重宝国尽案内」という日本全図があります。
Koezu02_2 標題からいえば、文字を知らない人のための国名図ということになりましょうが、実際はどうなのでしょうね。遊びとしての判じ絵のような気がします。

 大和付近。
Koezu03 中央やや左は矢が的にあたっているので「や+まと」ですね。その右側は井戸と背中で「い+せ」。伊勢の右下は縞柄の布で「しま」。大和と伊勢との中間上方は井戸と蚊で「いが」。「か」の清濁は問わないようです。

 大和の左下は紀伊です。「紀伊」と書いても「き」と読んだと思われますが、絵では木と井戸とが描かれているので、「き+い」となりましょう。興味深いです。

 もう1枚、右上の越後から左下の美濃のあたり。
Koezu04 絵と乳と碁石で「え+ち+ご」。碁石の数は5(ご)です。(^_^) その左は絵とネズミで、「え+ちう」。ネズミの鳴き声を使っています。その左は蚊の群が2つで「か+が」。下の蚊の群には濁点が付いていて「が」であることを明示しています。その下の飛騨も「た」には濁点が付いていて濁音であることを明示しています。

 興味深いのはその右です。信濃であるべきところ。お雛様と野原ですね。これでは「しな+の」ではなくて「ひな+の」になってしまいます。これを書いた人は「ひ」と「し」の区別が付かない江戸っ子なのでしょうか?(^_^)

 楽しいです。

【追記】
 じんやごんさんのコメントを受けて、図を1枚追加します。因幡から長門にかけての部分です。
Koezu05


« 難波津木簡と古今集仮名序の講演会 | トップページ | 「東海道五十三次はんじ物」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

地図・航空写真」カテゴリの記事

コメント

まあ,またけったいなものを,見つけましたね。
「無筆重宝国尽案内」
すごい。
こういうの,東海道の絵図にもあったような気がします。

そうです。
「猫飼好五十三疋」(みょうかいこうごじゅうさんびき)
昨年豊橋市二川宿本陣資料館でやっていた
浮世絵 ねこの世界展 で展示されていました。

越境地域で紹介してもおもしろいかも。

萩さん

 「みょうかいこう」と「とうかいどう」、音が似ていますね。遊び心が楽しいです。

 珍しいものがもっとあれこれたまったら越境地域のネタに使えますかね。

 収集に励みます。

無筆重宝国尽案内は、平凡社刊、太陽コレクション地図「江戸・東海道(古書店で入手)」の中のP118と119に掲載されたものを持っていて、絵解きを楽しんでいます。どうしても現在絵解きができていない国が、因幡と長門の「な」にあたる絵が解けません。因幡の「な」の絵と長門の「な」の絵は同じには見えないけれど、この作者は同じ音には同じ絵を当てていることを考えると、この「な」は同じとも考えられるし。因幡の「な」の絵解きができそうでできないというもどかしさがあります。
 私は、内衣(ないい)の絵とといて、腰にまとう裙子(くんす)・湯帷子(ゆかたびら)の異称。この湯帷子の女房詞で湯文字(ゆもじ)=女性の「腰巻」の絵と解いてみました。江戸時代には湯上りに用いたようです。しかし、絵のような色の腰巻があったとは考えにくい気もするので、かなり強引な無理のある解釈だと思っています。
 まほろばさんは、因幡の「な」、長門の「な」をどのように読み解いているのでしょうか。アドバイスを頂けたらうれしいです。よろしくお願いします。

じんやごんさん

 コメントをありがとうございます。
 また、ブログをご覧いただきましてありがとうございます。

 コメントを頂いて、因幡から長門にかけての部分の画像を追加アップしました。

 この絵図では、あまり高尚なもの、難解なものは使っていないように思います。

 「菜っ葉」の「菜(な)」でいかがでしょうか。ナマか、あるいは茹でてあるのか、定かではありませんけど。

ありがとうございます。追加の画像参考にさせていただきます。
わたしも、はじめは菜っ葉の「な」か「茄子」の「な」かもと思っていましたが、太陽コレクションの絵は判読むずかしかったですが、拡大図版を見ると、菜っ葉のようにおもえますね。重ねてお礼申し上げます。

じんやごんさん

 コメントをありがとうございます。

 画像が小さかったり不鮮明だったりすると判読が難しいですよね。
 菜っ葉で合っていると幸いです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「無筆重宝国尽案内」:

« 難波津木簡と古今集仮名序の講演会 | トップページ | 「東海道五十三次はんじ物」 »

2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

ウェブページ