スルガ木簡続報
11月30日に、この日の新聞記事を基に「最古のため池発見とスルガ木簡」という記事を書きました。この新聞記事の中で一番興味を惹かれたのは、「珠流河」という表記でした。この表記、国造本紀の表記と一致しているもので。
昨日、奈良の大学院に進学したかるべさんからお手紙と資料を頂きました。かるべさんは、奈良で開催された木簡学会の研究集会に出席されたそうです。この研究集会では、あのスルガ木簡も取り上げられたということで、資料を送ってくださったのです。ありがたいことです。
送ってくださった資料には次のようにあります。
これを見ると、スルガ木簡は2点あるのでした。1点目は「□流河」とあり1字目の「珠」というのは推定ですね。そして2点目は「×流河」とあり、1字目は不明です。
そして、この地名の下には「評」とあるので、どちらのスルガも国名ではなくて評名(郡名)なのでした。
さらに、その下には「作度里ヵ」(もう1点には「佐度里」)とありますが、この里名は和名抄には載っていない地名です。
そのような次第で、かるべさん情報で、新聞記事からは知り得なかった貴重な情報をいろいろと知ることができました。
ありがとうございました。
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記事にしてくださってありがとうございます。
先生の記事を読んで、生の資料という木簡の貴重さが改めて分かりました。
今後の発掘、調査、研究にも期待が高まりますね。^ ^
(私も研究に携われるように頑張りたいです!)
投稿: かるべ | 2017年12月31日 (日) 21時32分
かるべさん
資料を送ってくださって、本当にありがとうございました。
新聞記事では知り得なかった、多くの貴重なことが分かりました。
記事にする人の意識次第で、記事になることとならないこととが分かれてしまいますね。
後世の書写でない生の資料の価値は大きいですね。
しかも、木簡は、新しいものがどんどん出てきますので、それもありがたいですね。その分、アンテナを張っていないと新しい資料を見逃したり、情報の入手が遅れたりしてしまいます。
そういう意味でも、とても感謝しています。
ありがとうございました。
御研究の進展、注目しています。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2017年12月31日 (日) 21時56分
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
先生のブログを拝読し、「珠流河」木簡の存在を知りました。
授業ではこれまで「素留宜」を紹介していたのですが、これから「珠流河」木簡を紹介したいと思います。(かるべさんからの貴重な情報にも感謝です)
いつもブログを拝見し、多くの学びをいただいています、ありがとうございます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: ねごろ | 2018年1月 5日 (金) 12時28分
ねごろさん
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
コメントをありがとうございます。
これまで、駿河国の国名を表記した木簡は「駿河」ばっかりで、確かそれ以外は「素留宜」1点だけでしたよね。これも「宜」をガの仮名に用いている点で貴重ですけど、今回の「珠流河」は国造本紀の表記と一致している点が「おお!」ですね。
木簡は新しいものがどんどん出てくるところがありがたいです。
かるべさんにも感謝しています。かるべさんは、まだ修士1年なのに、木簡学会の研究集会に参加しにゆくという意欲、積極性がすばらしいですね。
こちらこそ本年もどうぞよろしくお願い致します。
投稿: 玉村の源さん | 2018年1月 5日 (金) 15時27分