『西国巡礼 細見之絵図』
このようなものを入手しました。
折りたたまれていたのを開くと、全体像はこんなです。
凡例と、巡礼の全行程はこのようです。
凡例にもあるように、地図上では巡礼の道は太く彩色されています。一番の「なちさん」から三十三番の「たにぐみ」まで、相当に長い道のりですね。和歌山県、大阪府、奈良県、京都府、滋賀県、兵庫県、岐阜県に亙ります。
版元は南都大仏前絵図屋庄八です。
この版元、以前ご紹介した「奈良名所絵図」の版元でもあります。下の図の左下欄外に版元名が書いてあります。
巡礼絵図の方、宝暦四年(1754)の版を嘉永二年(1849)に改版したようです。100年近く経っていますね。わずかな改訂なのか、大改訂なのかは分かりません。
この巡礼道、一番は那智山ですが、その前に伊勢神宮からの道が描かれています。お伊勢参りを済ませてから西国巡礼に回るとしたら、さらなる大遠征ですね。
奈良付近。
六番壺阪寺、七番岡寺、八番長谷寺、九番(興福寺)南円堂などが見えています。
以前見た別の絵図に記されていた、橘寺、飛鳥、阿倍、多武峰、桜井、三輪、丹波市、帯解、田原本、八木などのおなじみの地名(実際にはひらがなですが)も見えています。
知った地名を見ると、なんか嬉しい。(^_^)
紀伊半島の南に「たごノ浦」という地名がありました。現代の地図を見ても、「田子」という地名や紀勢本線の駅名があります。和歌山県東牟婁郡串本町です。
「たごのうら」って、富士山の近くにも、越中にもありますよね。地形由来の地名でしょうかね。関係が気になります。
群馬の、多胡碑のある多胡郡も関係があるのか、あるいはこちらは全く無関係なのか。海と山ですからねぇ。でも、あれこれ気になります。
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