昭和14年の『東宝映画』
『東宝映画』をいう雑誌を入手しました。大きさはB4よりも少し大きく、グラフ誌といった感じです。
表紙は大石内蔵助の大河内伝次郎と、浅野内匠頭の長谷川一夫です。
奥付を見ると昭和14年の4月号です。
表紙から分かるように忠臣蔵特集で、配役もびっしりと並んでいます。
ごくごく一部を紹介すると、次の通りです。
大石内蔵助:大河内伝次郎
浅野内匠頭:長谷川一夫
吉良上野介:丸山定夫
内蔵助妻お陸:入江たか子
お軽:山田五十鈴
一力のスタッフが目に付きました。
一力女中おてる:原節子
一力女中あぐり:高峰秀子
一力女中おいさ:霧立のぼる
一力仲居おさん:清川虹子
一力仲居おくら:沢村貞子
どれだけ豪華な一力、と思いました。この女優陣、当時はまだこれから、といった立場だったのでしょうかね。
大石吉千代:仁科周芳、というのもありました。仁科明子のお父さんの岩井半四郎ですね。まだ子役。
お笑い系では、艶辰大尽:横山エンタツ、阿茶古大尽:花菱アチャコ、畳職人八公:榎本健一、というのも見えました。
なかなか興味深いです。
大判な誌面を生かした名場面集も載っていました。
忠臣蔵以外の記事もあります。
これ、ちょっと意表を衝かれて、「マルコポーロって誰だっけ?」と思ってしまいました。(^_^; 東方見聞録のマルコポーロですね。ゲーリー・クーパー。日米開戦の2年半前の段階では、まだこうした映画も上映されていたのですね。次のページには淀川長治氏(懐かしい)の解説があります。
雑誌本体の記事中、横書きは全て右からです。間に挿入されている広告も右横書きが多いですけど、左横書きも多少あります。
上の2つの広告は切り貼りしたものです。フナキヤは右横書き、野田屋食堂は左横書きです。
フナキヤさんはチェーン店なのですね。「フナキヤチエーン」とあります。当時、このような言葉がすでにあったのですね。神戸の元町二丁目が本店でしょうか。他に元町三丁目、元町六丁目、三宮二丁目にも支店があったようで、繁盛していたのでしょう。
裏表紙はどーんと丸ごとナショナルの1社提供です。これが丸ごと左横書きです。右上隅にある懐かしいナショナルのマークの文字も左横書きですね。
同時代資料は本当に面白いです。
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