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2017年7月19日 (水)

『おかしいぞ!国語教科書』

 こういう本を買いました。笠間書院刊です。
Okashiizo
 去年の12月に刊行されたものですので、タイミングはちょっと遅いですけど。

 目次は以下の通りです。

 Ⅰ 今、なぜ教科書を問うのか
   国語教育の危機(多田一臣)
   古すぎる教科書の万葉観(梶川信行)

 Ⅱ 問題のありかを探る
   小・中学校教科書と万葉集(菊川恵三)
   高等学校国語における古典教育の実態と諸問題(城崎陽子)
   「手引き」から考える万葉集学習の特性(永吉寛行)
   万葉歌から何を学ばせるか(梶川信行)

 Ⅲ 高校「国語総合」の教科書、全二十三種を徹底解剖(梶川信行・野口恵子・佐藤織衣・鈴木雅裕・佐藤愛)

 Ⅳ 最新の研究で教材を読み解く
   忘却された起源―憶良の歌が定番教材となったわけ(品田悦一)
   宴席のコミュニケーション術―大伴坂上郎女の「姫百合」歌を例として(野口恵子)
   明快な「読み」のない歌―大伴家持「春愁歌」(吉村誠)
   『古事記』倭建命―読み換えられる《悲劇の英雄》(鈴木雅裕)

 Ⅴ こう教えたい『万葉集』―新たな教材の提案(梶川信行)

 現在の高等学校「国語総合」の教科書には新鮮な教材が多い中で、『万葉集』に関しては、学習指導要領が新しくなり、教科書が改訂されても、昭和の時代からほとんど変わっていない、という指摘がなされ、具体的な例も挙げられています。

 『万葉集』や『古事記』は、共通一次やセンター試験で一度も出題されたことがないそうで、これも、『万葉集』が重んじられていない理由の1つなのでしょう。

 最新の情報に基づく読み方と、古典が好きになる授業方法を提案しつつ、教材の本当の姿と面白さを伝える、研究者からの熱いメッセージです。

 古い読み方として挙がっている例の中には、ちょっとドキッとするものもありました。私も古いです。(^_^;

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コメント

 面白そうな本ですね~。買うことにします。

 数年前のことですが、高校国語科教科書そのものではなく、副読本のようなものの中に、「え?」という万葉集の解釈を見かけたことがありました。

 購入したわけではないので手元にはありませんが。

 著者は、上代文学の研究者ではなかった(別の領域の研究者だったような)と記憶しております。

朝倉山のオニさん

 まだざっと目を通しただけですけど、なかなか興味深い内容です。

 数年前の上代文学会の大会の折に、梶川先生が国語教科書に載っている万葉集のことを発表なさっていましたけど、それがこういう形で本になったのですね。

 上代文学会研究叢書のような専門書としての刊行を考えていたところ、笠間書院から、多くの人に読んでもらうためには一般書として刊行した方が良いというアドバイスを受けて、このような形での出版になった、ということを最近どこかで読んだ気がするのですが、どこで読んだのかもう分かりません。(^_^;

 すぐにメモしておかないとだめ。(^_^;

 オニさんがお読みになった副読本のなかの「え?」というのも問題ですね。著者が専門外の人だとそういうことが起こり得ますね。まずいですよね。

>古い読み方として挙がっている例の中には・・・

私なんか学生の頃に得た知識で切り回しているんで、いつもドキドキですよ。
そんな私でも「副読本のなかの『え?』という」ことがしばしばですよ。確かに各社の副読本の編纂に上代文学を専門になさっている方のお名前は少ないような気がします(私の狭い記憶の範囲ですが)。

三友亭主人さん

 ううむ。三友亭主人さんも「副読本のなかの「え?」」をしばしば経験していらしたのでしたか。

 それは、教科書と並んで、問題ですね。

 上代は難しいんですよね。←という結論に。(^_^)

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