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2017年7月25日 (火)

文学部って何の役に立つの?-阪大学部長の式辞

 昨日、笠間書院広報部のツイートに、「文学部って何の役に立つの? 阪大学部長の式辞が話題に 「本領を発揮するのは、人生の岐路に立ったとき」」というYahoo!ニュースのリツイートがありました。

 大いなる関心を持って早速読みに行きました。

 この阪大学部長って、もしも国語国文の人ならば、知った人かもしれないなぁ、と思いつつ行ってみましたら、金水敏先生でした。役割語の。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170723-00000001-withnews-sci

 仰ること、よく納得できます。

 医学部に行って医師になるとか、法学部に行って判事や検事になるというのは、学問分野と職業とが一致していて極めて明瞭です。

 一方、文学部って、文学、語学、歴史学、哲学などなど……、どの分野も、人間の喜び、悲しみ、失敗、成功、人間の生き方や、それによってもたらされたありとあらゆることが深く関わっていますよね。文学部で扱う事柄って、職業を超越して、人間の本質に関わる極めて重要なことと思います。

 でも、そういうことがなかなか理解されなくて、文学部無用論などが公然と主張される。

 そういう中、金水先生の発言は重いものと考えます。

 金水先生には以前、群馬県立女子大学で講演していただいたことがありました。平成20年のことです。画像がないと寂しいので、その折の画像を貼っておきます。
Kinsui02
 テーマはやはり役割語でした。
Kinsui01
 お茶の水博士のように「わしは……なんじゃ」なんて言い方をする研究者は存在しないのに、そういう言い方が役割語としては存在している、というお話しがあり、「なるほどそうだなぁ」と納得しそうになりましたが、ふと内省してみるに、私は日常的に「わし」だの「じゃ」だのと言っておるのぉ、と気付いたことでした。(^_^;

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コメント

 ご紹介の記事、読みました。本当にその通りと思います。

 長い人生を生き抜くために、役に立つ「知識・技能」やそれを生かす「思考力・判断力・表現力」はとても大事です。

 でも、それらを支えるベースがそれとは別に必要で、それを今は「学びに向かう力・人間力」と、文科省は呼んでいるのではないかと考えています。

 学びに向かう力・人間力を育むのに、先人の知恵や経験、思考や感性がぎゅっとつまった文学は、とても有用だと思うのです。

 短期的に役に立つことだけしか見ようとしない学びは貧困です。変化の早い現代、知識や技能が陳腐化する速度も速いです。

 実学系の大学で教えていますが、実学を学びつつ、「人とは何か、人生とは何か」を考えようとする学生が、最終的に伸びていくと感じています。そういう学生は、文学や物語、あるいは他者の言語に対する感度も高いんですよね。

 実学と言っても、自然科学ではなく社会科学、人の幸福・幸福な社会のあり方を探る学校なので、ある意味当然かもしれませんが。
 

  

朝倉山のオニさん

 早速のコメントをありがとうございます。

 ご発言、よく納得できます。本当にその通りですよね。

 医師や法律家になる人にも人文系の学問をしてもらいたいと思っています。

ご紹介のお話、私も非常に感銘を受けました。
文学部・・・会えて、その枠を人文の学まで広げますが、内田樹先生が理科系の学を学ぼうとするものはすべからく人文学を修めることをその前提とするべきであるとの文章を読んだことがあります。金水先生のお話しとは少しずれてしまうのですが、人文の裏付けのない科学ほど恐ろしいものはないと思います。科学・・・だけではなくあらゆる技術というものの根幹には「人」のためにあるものであるはずで、その「人」を視野に入れない「学」はその存在意義を失ってしまいます。

三友亭主人さん

 コメントをありがとうございます。

 内田先生のお話もよく納得できますね。

 オウムの事件が起きたとき、大学で教養教育の重視が提唱され、賛同されたと思いますが、いつの間にか忘れられてしまった感じですね。

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