上野三碑講演会で講演
一昨日の日曜日、渋川公民館で講演をしてきました。演題は「伊香保-万葉に歌われたふるさと」です。レジュメはこちら。
これは、上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会(事務局:群馬県文化振興課内)が主催する「上野三碑講演会」の一環です。
この講演会は、
>上野三碑のユネスコ「世界の記憶」登録を推進するため、講演会を県内各地で開催します。
>また、上野三碑と各地域の関係についても、地元講師を招き、講演を行います。
という趣旨で、今年の10月30日から来年の2月18日まで、全9回にわたって県内9ヶ所で開催されます。
講師は、前澤和之氏(跡見学園女子大学兼任講師)・熊倉浩靖氏(群馬県立女子大学教授・群馬学センター副センター長)のお二人で、これに加えて、毎回各地域の地元講師1名が加わります。
私は渋川在住ということで、渋川地区の地元講師ということになりました。地元講師の講演テーマは、その土地にまつわる内容です。その土地の方々に少しでも上野三碑に親しむ手がかりになるようにとの趣旨でしょう。
私の「伊香保-万葉に歌われたふるさと」という演題は熊倉氏からの提案です。私も異存なくお引き受けしたのですが、会の趣旨からいえば、メインテーマはあくまで上野三碑なのですから、伊香保の東歌の話を勝手にすれば良いわけではなく、それと上野三碑とを絡めることが期待されます。
あれこれ頭をひねったのですが、これが全く絡まないんですねぇ。(^_^;
なぜ絡まないのか考えました。
上野三碑のうち山上碑は亡き母の墓誌銘です。多胡碑は建郡記念碑。金井沢碑は仏教関係の誓願文です。
これに対して、東歌には挽歌は1首しかなく、大部分は相聞歌(および譬喩歌)です。墓誌や行政とは縁遠い内容です。また、万葉集の中に仏教的要素はないわけではありませんけど、少ないですね。
そして、石碑は、何としても後世に伝えたいことを文章化して石に刻んだものであるのに対し、歌は口頭でうたわれたものであり、東歌には方言もたくさん用いられています。
そんなわけで、両者には接点があまりないんですね。
上野三碑と上野国東歌って、ほぼ同じ時代の(上野三碑の方がやや古いですけど)、同じ地域のものでありながら、随分違った存在であることに改めて気付きました。
これは、上代における言語生活の多面性をものがたる一つの現れと位置づけられそうです。
あれこれ考えて勉強になりました。おもしろかったです。
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