真田丸跡をゆく(2)
昨日書きましたように、元禄年間の『大坂三郷町絵図』(大阪城天守閣蔵)によれば、心眼寺等の4寺は真田丸の外部に位置するとみられますが、それで良いかどうか。
真田丸の所在地を知る上で有用な資料がもう1つあります。11月12日(土)放送の「ブラタモリ」(「#54 大坂城・真田丸SP」)で紹介された『極秘諸国絵図』所収「大坂 真田丸」(松江歴史館蔵)です。
番組内で文字を入れた画像です。
この絵図に描かれている場所は、昨日の絵図と同じとみられます。この絵図でも寺院が南北に3つ(4つではありませんが)並んでいます。そして、これらのお寺の西沿いの道の曲がり具合が現代の道の様子とよく似ています。
番組では、現代の地図の上に、この絵図を印刷した透明シート重ねると見事に重なっていました。
航空写真とも重なります。
画面中央よりもやや左下にタモリさんマークが付いています。そこは大阪明星学園の校舎の屋上です。番組の終盤で、タモリさんが屋上から真田丸跡を見ていました。
この写真は上が北です。台地の左側2/3ほどが大阪明星学園の敷地で、道を挟んで右側1/3ほどに心眼寺等4寺が南北に並んでいます。4寺は真田丸の郭内に位置するように見えます。
絵図では、真田丸の周囲、特に東西は崖として描かれています。北には出丸がありますね。真田丸自体が大坂城の出丸なわけですけど、その真田丸にも出丸が。
この出丸は大坂城に向いて設けられています。敵が真田丸を迂廻して大坂城の惣構えに向かおうとすれば、その部隊に対して出丸から攻撃ができそうです。
昨日今日のいずれの絵図でも、真田丸の西限は大阪明星学園の西限と重なるようです。そのあたりの写真です。
北から南に向けて撮りました。手前が低く南に向かって上り坂になっています。昨日の、大阪明星学園と4寺との間の道が北から南に向かって上り坂になっていたのと同様です。北が低いというのは大坂城の南限の堀に近いからでしょうかね。
下は、心眼寺等の東側の道です。
南側から撮りましたので、画面向かって左側がお寺です。右側は普通に建物が建っていますが、その向こう側は崖になっています。その写真を撮らなかったことが悔まれます。(^_^;
「ブラタモリ」をご覧になった方は、1人しか通れないような道を体を横にして通ると崖下に出て、そこにお墓があったシーンを憶えていらっしゃるのではないでしょうか。心眼寺のご住職が案内してくださって、子供の頃はこの辺は藪で、隠れんぼをしていたと話していました。真田丸で隠れんぼ。
大阪明星学園の南沿いの道です。
ここが真田丸の南限に当たるのでしょうが、痕跡はありません。
南側は、徳川勢が攻め寄せて、甚大な被害を出した場所なので、特に念入りに破却したのではないかという発言が「ブラタモリ」でありました。そういうことかもしれません。
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いやあ~研究が進んでいますね。
かくも綿密な現地調査・・・頭が下がる思いです(笑)。
もうじきドラマも終わってしまいますね。
私の方は・・・今年は面白そうだから見ようと決めていたのですが・・・なぜか見そびれたまま、この時期にいたてしまいました。もうすぐ、総集編が放送されるでしょうから、今年はそれで我慢することにします。
投稿: 三友亭主人 | 2016年12月 6日 (火) 22時35分
三友亭主人さん
凝り性なのか、熱心に見てきました。(^_^)
学会参加のための旅行だったはずなのに、果してちゃんと学会に出席していたのか疑惑が……。(^_^;
「真田丸」、あお2回です。
総集編はぜひ。面白いと思いますよ。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2016年12月 7日 (水) 00時12分
おお!ちょっと目を離しているすきに、スレが大量に…。
さすが、源さんです。
考えてみれば、私が大阪で止まったのは上本町のホテルでしたから、ちょっと足を延ばせばよかったわけです。
(後で知りました…)
真田丸のことは、当日の朝日新聞にも記事が載っていました。
四角か、丸かでも議論があるようですね。
御覧になりましたか?
投稿: 晴南 | 2016年12月10日 (土) 10時48分
晴南さん
充実した史跡めぐりでした。学会出張とどちらがメインだか分からないほど……、といいますか、極めて明瞭ですね。(^_^;
何ごとであれ、集中することは大事だと思います。今月下旬締切の原稿2本、書かねば。(^_^;
朝日の記事、当日ではありませんが、数日後にネットで見ました。
投稿: 玉村の源さん | 2016年12月10日 (土) 20時44分