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2016年10月15日 (土)

道標の左右表記のナゾ

 道標というのは、普通は道が分岐しているところに設置してあるものと思います。分かれ道に来て、はて目的地は右か左かという時に、それを教える役割を果たしています。

 先日の奈良出張中に、久米寺の前に下のような道標がありました。
Michishirube01
 右へ行く道に「右~」、左へ行く道に「左~」と書いてあれば分かりやすいのに、なぜ左右が逆なのだろうかと疑問に思いました。一昨日、そのことを当ブログの「久米寺をゆく」で書いたところ、源さんの後輩さんから、これは理にかなっているとのコメントを頂きました。理解力の足りない私はあまり納得できなかったのですが、例を集めてみることにしました。材料は私のハードディスクです。字が好きなもので、今まで旅行中に道標の写真もそこそこ撮っているはずだと思い、探してみました。

 下は群馬県太田市内の追分にあったものです。右左は実際の通りです。ただ、右左の記述は同一平面上ですので、その点が90度の角度で記されている久米寺前の道標とは異なります。
Michishirube02
 下は岐阜市内にあったものです。これも左右の記述は同一平面上にあり、これとは別に90度の角度の面には「北たにくみ道」とあります。
Michishirube03
 下は群馬県高崎市新町の中山道沿いにあったもの。新しいですが、江戸時代のものを復元した可能性があります。これも左右の記述は同一平面上です。
Michishirube04
 下は大阪府南河内郡太子町にあったもの。これは左右の記述が90度の角度で記されています。久米寺前のと正反対ですね。
Michishirube05
 下は二上山山中にあったもの。新しいものです。左右の文字はなく、矢印で示されています。
Michishirube06
 一方、久米寺前のと同じように左右が逆のものもありました。下は大垣市内にあったものです。四角柱ではなく円柱ですが、久米寺前のものと同じ方式と考えられます。
Michishirube07
 下は高崎市内にあったもの。佐野へ行く途中です。新しい木の柱ですが、「左 婦ぢおか(藤岡) ちゝぶミち」とあるところをみると、石碑に彫られた文字をそのまま翻字したものかと思われます。
Michishirube08
 すみません。まだ例を示しただけで、分析、考察に到っていません。この問題、もう少し考えてみます。

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コメント

いろいろと例をお調べ下さり、お手間をおかけして申し訳ありません。

全く不勉強なのですが、この久米寺の前の道標はT字路(Y字路)に立っているのでしょうか?

私は写真を拝見して、左から来た人が左側の「右~」を見て「このまま進んでいけば~に着くんだな」と確認できるだろうと思いました。45度ずらして斜めに置いてありますから、左から来た人はのぞき込まなければ右側の「左~」は最初は視野に入らないでしょう。右から来た人もまず右側の「左~」を見るのだろうと思いました。

左に「左~」、右に「右~」が書かれていて45度ずらしてある場合は、左から来た人は左側に「左~」があってもそれは自分が今、来た道なので役に立たず、反対側の「右~」を通り過ぎて振り返るか回り込んで見なければ自分がこれから行く方向が見えないので、久米寺の道標のように45度ずらして左右を逆に書くのは便利な書き方だと思いました。

この久米寺の道標のような置き方・書き方の場合は、正面から両方を見てどちらに行くかを考えることは想定していないように思います。正面から見て判断するには太田市内の追分の道標のように同一平面に並べて書いた方が見やすいでしょう。

お手間をおかけしてすみません。でもいろいろな道標の写真が拝見できて興味深いです。

源さんの後輩さん

 コメントをありがとうございます。

 久米寺前の道標が立っている場所は、交差点ではなく、空き地です。今は道標の役割を果たしているというより、文化財として保存されているといった感じです。

 太田市の道標のように道の分岐点に立っていればイメージが掴みやすいのですが……。

 久米寺のあたりからみて、神武天皇陵は北、岡寺や橘寺は南東に当たりますので、この道標は西の方、二上山あたりから進んできた人、あるいは南西の方(九度山方面)から進んできた人を想定しているように思います。

 源さんの後輩さんのコメントの中で分かりにくいのは、「左から来た人が左側の「右~」を見て「このまま進んでいけば~に着くんだな」と確認できるだろう」という点です。

 「右~」と書いてありますから、「このまま進んで行けば」とは思わずに、「右に折れれば」と思ってしまうのではないかと考えて、そこで引っ掛かってしまいました。(^_^;

 この道標が現役として活躍していた時の実際の道の様子(Y字路なのかT字路なのか)、この道標の位置・向きが知りたいところです。

 おもしろい話題ですね。難解なパズルのよう。

 問題の標柱が、どのような交差点のどのような位置にあれば有効か、考えてみました。パズルが苦手なので間違いの可能性大ですが。(笑)

 仮に、東西に走っている道と、南北に走っている道が交差しているところがあるとします。

 その交差点の、北西の角(地図で言うと、左上の角)にこの標柱が立っているとしたら―。

 南から来た人からは、「右 おかてらたち花」 が目に入りやすいので、東へ行けば岡寺に着くのだな、と思うのではないでしょうか。

 一方、東から来た人からは、「左 じん武橿はら」が目に入りやすいので、南に行けば橿原に着くのだな、と思うのではと。

 具体的な土地の様子を無視して、図形的に考えるとこんな使い方もあるのではと思うのですが、自信はありません。

朝倉山のオニさん

 御参戦、ありがとうございます。(^_^)

 ほんと、パズルのようですよね。

 南から来た人が「右 おかてらたち花」を見て、右(東)に行って岡寺にたどり着けるというのは良いのですが、東から来た人が「左 じん武橿はら」を見て左(南)に進むと、逆方向になってしまいます。神武天皇陵は久米寺の北にありますので。

 道がどんな方向に通っていて、この道標がどんな角度で設置されていたのか、という点がポイントになりそうです。

 「右」「左」と言っても、Y字路ならば角度は15度とか30度とかの場合もありましょうが、T字路ならば180度にもなってしまいますので、随分な差ですよね。

 左右が反転している理由だけについて考えてみたのですが、やはり方角が合いませんか。(笑)

 北が神武陵、東が岡寺だとすると、南西の角に斜めに置けば、使えるかもしれないですね。
 交差点の北東の角からはす向かいの南西の角を見たときに、正面に「左 じん武橿はら」の字が見えるように置けば、西から来た人の目に「左 じん武橿はら」が比較的目に入りやすい。

 南から来た人には、(斜めにはなっていますが、)「右 おかてらたち花」が目に入りやすい。

 この角度にしておけば、南から来た人には 「左 じん武橿はら」は目につきにくいですし、西から来た人には、「右 おかてらたち花」は目につきにくいのでは。

 源さんの後輩さんがおっしゃった、45度ずらす、というのと同じかどうかはわからないのですが。

朝倉山のオニさん

 コメントをありがとうございます。

 難しいパズルです。(^_^;

 西から来た人に「左 じん武橿はら」が見えやすい向きに道標が建っていたとすると、「右 おかてらたち花」の面は北向きになってしまい、南から来た人にこちらの面は全く見えないように思いますが、いかがでしょうか。

 ちょっと頭の中ごちゃごちゃしてきました。(^_^;

 源さんのおっしゃるとおりですね。変でした。本当にあたまがごちゃごちゃします。(笑)

 というわけで、図に書いて考えてみました。そのことを言葉でうまく説明できるかどうかわからないのですが―。

 あらためて、北に神武陵、東に岡寺があるような四つ角を仮に想定します。
 そこで、「左 じん武橿はら」の表示が助けになるのは、西から交差点に入っていこうとする人ですよね。
 「右 おかてらたち花」の表示が助けになるのは、南から交差点に入ってくる人です。

 西南の角に標柱を置けば、それぞれの助けになるのでは。

 西から来た人がふと右側の標柱に気づく。そこには「左 じん武橿はら」の文字が。左折して北へ行けばいいのだな、と見当がつきます。

 南から来た人がふと左側の標柱に気づく。そこには「右 おかてらたち花」の文字が。右折して東に行けばいいのだな、と見当がつきます。

 残る問題は、久米寺から見ると、岡寺は、東というよりはやや南東寄りにあることです。
 久米寺近くの交差点にこの標柱を置くと、岡寺に行くためにはどこかで南方面の道に入らなければならないので、迷う可能性があるのでは。私だったら絶対にたどり着けない自信があります。

 東に向かう道が、少しずつ南によっていて、道なりに歩いていれば岡寺にたどり着くというケースならば問題はないでしょうが、今の地図を見る限りでは、どうなのだろうという気がします。

 すっかりこの話題にはまりこんでしまいました。(笑)現地の地理に詳しくないので、これ以上はわかりません。

朝倉山のオニさん

 この問題にはまってくださってありがとうございます。(^_^)

 新案をありがとうございます。

 道を歩いてきた人が道標の正面の文字を見て、進むべき方向を知る、というのが普通の考え方と思いますが、オニさんの案では、右側の道標の文字に気付くというのがユニークですね。歩きつつ、側面の文字を読むということですね。

 御案のような状況であれば、確かに位置関係は整合しますね。

 江戸時代のこのあたりの地図を見てみたい気がします。どんな風に道が通っているのかを知るために。

 昔ネットオークションで入手した地図(複製ですが)があったような気がするのですが、例によって行方不明です。(^_^;

みなさま、変な問題提起をして混乱させてしまい、すみません。

この左右反転の道標は、四つ辻や三叉路ではなく、普通の道端(変な言い方ですみません)に置いてある、ということはないのでしょうか? ある面が道と並行して置いてあるのではなく、道に角が飛び出すようにして置いてある、という感じです。

道に対して横向きに、道標の角に向かって立てば4面のうち2面が見え、右側に「右〜」、左側に「左〜」と書くところを、見せる人の向きに従って(左から来た人に「右〜」が見えるように)、左右を入れ替えて書いたのではないかと考えました。

昔の(いつの?という問題はありますが)地図は、人の土地の名前などをその向きに従って、(全体から見るとバラバラの向きに)書きますから、位置関係は(「北〜」といった絶対的な記述方法でなければ)相対的に書かれていることが多いように思います。それで「右〜」は(「右」が正面から見た位置関係であることは今の私たちから見れば不備がありますが)左から来た人に見せるためのものであろうと考えました。このような左右反転の道標の場所が四つ辻や三叉路でなければ「右」は左から来た人にとって(今の私たちが考える)「このまま直進」を示すお約束だったのではないかと思いました。

さらに混乱させているようでしたら誠にすみません。

源さんの後輩さん

 まほろばが活性化するのは嬉しいことですので、混乱も大歓迎です。(^_^)

 パズルのようで楽しいです。

 現在のあの道標の設置場所は空き地のような場所ですので、本来の環境は不明です。様々な可能性が想定できると思います。道も形状もY字路、T字路、十字路など、様々に想定してよいと思います。道が全く交差していない一本道もありかと。

 「右から来た人」という場合、基準点は道標のある場所ですね。その場合、道標に向き合って右・左なのか、道標から見て(道標を背にして)右・左なのかということがありますね。そのどちらであるのかは当時の人にとっては自明であれば明確なのでしょうが。

はじめまして、通りすがりのKと申します。
私は、おそらく久米寺仁王門から東の辻の北西角に立っていたのではないかと思います。

この道標は正面に「真言最初、久米寺」と書かれているようなので、
これを東面にすると、

東面が「真言最初、久米寺」(西へ歩くと久米寺仁王門前に出ます)、
西面は「右、おかでら、たち花」(久米寺仁王門前から来ると右折(南方向)で明日香方面へ行けます)、
南面は「左、志ん武、橿は羅」(明日香・吉野方面から来ると久米寺境内を抜けて橿原神宮、神武天皇陵へ行けます)、

まったくの推測です。
すでに解決されていたらごめんなさい。(^^;

Kさん

 はじめまして。

 ブログをご覧くださいまして、ありがとうございます。

 道標の謎解きにご参加頂き、さらにありがたく存じます。

 この道標、東面に「真言最初、久米寺」と彫ってあるのでしたか。「右 おかてらたち花」の裏側になりますね。

 ご推察の中で、東面と西面は納得です。

 ただ、南面はについては、

>「左、志ん武、橿は羅」(明日香・吉野方面から来ると久米寺境内を抜けて橿原神宮、神武天皇陵へ行けます)、

はどうでしょうか? 

 南から進んできた人は、そのまま直進すれば神武天皇陵に行けるはずですので、左折するようにという指示が不審です。

 御推理のように、この道標が久米寺の南東に建っていたとすれば、その辻から左(西)へ進めば久米寺の南門前に出ますので、そこから久米寺に入り、境内を抜けて神武天皇陵に向かうというのは、分からないではないですが、ちょっとひっかかるところはあります。

 案の御提示、ありがとうございました。大変に参考になりました。さらによくよく考えてみますね。

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