鳥獣戯画の継ぎ間違い
2日続けて新聞記事からのネタですが……。
一昨日の毎日新聞、昨日の朝日新聞(いずれもネット版)に鳥獣戯画の記事が載っていました。
鳥獣戯画の修理の過程で、甲巻に絵順の入れ替わりのあることが判明したとのことですね。
和紙を漉くときに刷毛を使うそうなのですが、現行の第23紙と第11紙の刷毛跡がつながることが分かったそうです。そして、この2紙はともに短く、この2枚を繋ぐと54cmになり、この寸法は甲巻の他の紙のサイズとほぼ同じであることから、この2紙は本来は1枚であったのに、後に切断され、その後また継がれるときに、別の場所に継がれてしまったようです。
現行の状態は以下の通りです。
これが本来は以下のようであったということになります。これは自分で画像ソフト上で繋いでみたものです。
「高山寺」という割り印が左右で合っていませんので、この印は現状のように継がれた後に捺されたということになりましょう。
紙漉きの際の刷毛の跡を手がかりにこういうことが分かったって、すごいことだと思います。こういう話、好きです。(^_^)
そういえば、天下の孤本である定家書写の更級日記が、見開きページの虫食いの位置大きさが重ならないことなどを手がかりに、その綴じ違いが判明したという「更級日記錯簡考」(大正14年)が連想されました。こういう話も、好きです。(^_^)
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