『赤城詣』
昨日登録した「前橋の厳島神社(人丸神社)」の補足です。
厳島神社に次のような解説板がありました。
ここに、「この碑は一四一年前、天保十二年の赤城登山記にあり、」と記されています。私は、この「赤城登山記」を書名と見て、国文学研究資料館の「日本古典籍総合目録データベース」で検索したのですが、ヒットしませんでした。
私はここで追求をやめてしまったのですが、この記事をご覧になったまほろぐメイトの「源さんの後輩」さんが関心を持たれて、追求してくださいました。頂いたメールに依れば、「源さんの後輩」さんは「赤城登山記」を固有名詞とはみずに、「赤城山に登った記録」という意味ではないかとの推測のもとに、探索してくださったそうです。
その結果、『赤城詣』(あるいは『赤城話』)(天保12年、あるいは11年)という文献に辿りつかれました。
これまた「源さんの後輩」さんのご教示によりますが、ネットの「往来物解題」に、次のようにあります。
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◇あかぎもうで [0005]
赤城詣∥【作者】奈良一徳斎(文蔵・右門・峻沢・光竜)作・書。【年代】天保一一年(一八四〇)作・書。【分類】地理科。【概要】『上毛古書解題』によれば、原本の所在は不明で孔版一冊本が伝わる。本書は寛政六年(一七九四)刊『上州妙義詣』†、享和三年(一八〇三)刊『上州榛名詣』†に次ぐ上州地方の地理科往来三部作と言われるが、ついに刊行を見なかった。内容は『上州妙義詣』の文をかりて江戸から高崎までの道程は略し、高崎から赤城山に至る道筋と沿道の名所旧跡をあげて綴った往来という。なお、『泰産詣』†も一徳斎作と伝えられる。〔小泉〕
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さらにこれまた「源さんの後輩」さんのご教示によれば、群馬県立図書館に『赤城詣』1冊が所蔵されています。それがどうやら上の解題に「孔版一冊本が伝わる」とある、その本に当たるようです。
来週前橋に行く用事がありますけど、その日は時間がなさそうなので、来月にでも県立図書館に行ってみようと思います。
探索してくださった「源さんの後輩」さんに厚く御礼申し上げます。
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