『日本童謡集』(小学生全集)
こんな本を買いました。
奥付です。昭和2年に刊行されたもので、版元は最近話題の文藝春秋社です。
小学生全集は、学生の頃に渋谷の古書店で見つけて興味を持ち、何冊か購入しています。
巻頭の「はしがき」のあとに、収録している作品の作家名が列挙してあります。以下の通りです。
泉 鏡花
ロバート・ルイス・スティブンスン
ローマンス・アルマ・タデマ
浜田広介
初山滋
ヘンリ・ロング・フェロー
茅野雅子
小川未明
織田子青
若山牧水
加藤まさを
川路柳虹
金子みすゞ
横山青蛾
吉田絃二郎
竹久夢二
相馬御風
ウオーター・デ・ラ・メーヤ
野口雨情
熊田精華
柳沢 健
山村暮鳥
間司つねみ
藤森秀夫
アルフレッド・テニスン
西條八十
佐藤八郎
佐伯孝夫
北村慎爾
北村初雄
三木露風
水谷まさる
島木赤彦
百田宗治
薄田泣菫
著名な人名も初めて見る人名もあります。『日本童謡集』ですが、訳詩のあるものは外国人の作品でも取り上げています。
名前の順序、いろは順ですね。昭和2年だと、まだいろは順が普通だったのでしょうかね。
北原白秋の名がありませんが、「はしがき」によれば、「氏の都合上掲載を遠慮せざるを得なかった」とのことです。
これらの作歌の他に「古謡」とする歌が少なからず載っています。
「仏国古謡」として「アヴィニヨンの橋」が載っていました。今と歌詞は違いますが、この頃にはもう日本にも入ってきていたのですね。
200ページを越える本で、かなり沢山の歌が載っていますけど、私の知っている歌は少なかったです。西條八十「かなりや」「お山の大将」、野口雨情「青い眼の人形」など数えるほどです。
山村暮鳥「たあんき、ぽーんき」が載っていました。この歌は知っていましたけど、山村暮鳥の作とは知りませんでした。
百田宗治「どこかで春が」の3番の歌詞は「山の三月、東風(こち)吹いて」です。今は「春風吹いて」でしたかね。
金子みすゞの作は異彩を放っています。
昔のものは、あれこれ興味深いです。
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これは,貴重な本を入手されましたね。
昭和2年の発行なんて,すごいです。
金子みすゞさんは,もうこのころに活躍されていなのですね。
勉強になりました。
ところで,玉村のげんさん記念図書館は,いつごろ開業ですか?
投稿: 萩さん | 2016年4月 4日 (月) 08時46分
萩さん
大正12年に金子みすゞが発表した詩に対して、西條八十が「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛したそうです。
上に書き忘れましたが、この小学生全集『日本童謡集』の編者は西條八十なので、それで金子みすゞの作品も選んだのでしょうね。
投稿: 玉村の源さん | 2016年4月 4日 (月) 12時48分