磯部をゆく(2)松岸寺
磯部にある松岸寺というお寺に行きました。磯部駅から東へ20分ほどの所にあります。
あと少しで松岸寺という地点。左側に「この先歩行者 通行不可能」という立て札が立っていますけど、そう言われても……。
通行不可能なのは車道の向かって左側のみでした。確かに、左側はガードレールの左側に歩行者の歩ける余地は無さそうです。歩行者は車道の右側を歩けということでしょう。松岸寺は車道の左側にありますので、右側に渡るのは遠回りになりますが、仕方ありません。車道の右側を歩き、右奥に見えているセブンイレブンの少し先で道を渡ると松岸寺への参道がありました。
しかしまぁ、歩行者に冷たい道路事情ですね。群馬県は自動車大国です。歩行者は邪魔者扱いなのでしょう。大体、歩いている人、少ないし。そういえば、松岸寺まで片道20分を往復する間、行きも帰りも全く人とすれ違いませんでした。これまたなかなかすごいことです。(^_^)
山門です。写真は省略しましたが、曹洞宗の禅寺ですので、山門脇に「不許葷酒入山門」の石柱がありました。
山門の手前にこのようなものが。動物のお墓か供養塔ですね。動物好きとしては嬉しいことです。ペットではなく、農耕等に使用した牛馬を供養するものかと思います。
境内には群馬県の重要文化財に指定されている鎌倉時代の五輪塔2基があります。
風雨を防ぐための建物に入っているので、格子の間から撮影しました。向かって右側です。
向かって左側。
解説板によれば、1基には正応6年(1293)の年紀があるようです。
佐々木盛綱の墓と伝えられているようですが、年代は100年近くもずれます。
佐々木盛綱は治承4年(1180)の源頼朝挙兵以前から頼朝に従った古参の御家人です。建仁元年(1201)には上野国磯部郷に居住していたことが『吾妻鏡』に見えていますので、そんなことから、佐々木盛綱の墓という伝承が生じたのかもしれません。ただ、墓としては年代が合いませんが、供養塔ならば佐々木盛綱夫妻のものでもOKかもしれません。
この五輪塔の近くにある墓石には、播州赤穂の家老であった大野九郎兵衛の墓であるとの伝承があります。
大石内蔵助達の討ち入りが失敗に終わった時に備えて、2番手として磯部に潜んでいたというのですが、どうなんでしょ。なぜ磯部にいたのかというと、ここに吉良の領地があったので、上野介がここに逃げてくる可能性があったからというのです。信憑性は薄いように思えますが、さて。
松岸寺では、この墓石の傍らにはその旨の解説板などは一切設けていません。
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「畜魂」って言葉、初めて聞いたのでちょいとググってみたら、結構一般的な言葉なんですね。いわゆる家畜だけが対象ではなくて、私たちが普段食している動物たちや、医学系の研究施設で実験対象になった動物たち・・・畜類全般の魂のことも言うようですね(まあ、源さんの見た畜魂の碑は農家の方々を手伝っていた家畜類が主に祀られているのでしょうが・・・)。
新しく生まれ続ける言葉だけでなくって、古くからある言葉でもまだまだ知らない言葉はあるもんです。
投稿: 三友亭主人 | 2015年12月28日 (月) 10時57分
三友亭主人さん
私もこの言葉を見たのは初めてでした。単純に「畜」の「魂」なんだろうなと思い、動物の慰霊碑と思いました。
ほんとに、この歳になっても、初めてお目に掛かる言葉がたくさんありますね。
あとになってから、「畜魂」の「畜」はイケナイ意味ではなかろうなと、ちょっと不安になっていました。そうではなかったようで、ほっとしました。油断なりません。
投稿: 玉村の源さん | 2015年12月28日 (月) 13時59分