今日もかも
一昨日、「海原はかまめ立ち立つ」というタイトルの記事を書きました。
昨日も、同じ休耕田にカルガモが来ていました。私が通りかかったのは、一昨日よりも1時間15分ほど早い時間でした。夕方、このくらいの時間差だと明るさが全く違います。さらに逆光を避けようと移動したら、カルガモたちは警戒して遠くに行ってしまいました。
休耕田のすぐ北には稲の植わっている田んぼがあります。その稲に身を隠そうとしています。稲はもうだいぶ丈が高くなっていますので、確かに格好の隠れ家になりそうです。
アップにしてみました。
正面顔も。
筒井先生がご教示くださった嘴の先の黄色い色もはっきりと見えます。
さて、タイトル。
朝倉山のオニさんのコメントにあったダジャレ(失礼(^_^;)に触発されて、「今日も鴨」と掛けてみました。1日経ってしまいましたので、本当は「昨日もかも」になるべきところですが……。(^_^;
「今日もかも」という句は、人麻呂の「釼つく答志の崎に今日もかも大宮人の玉藻刈るらむ」(41番歌)が念頭にありましたが、調べてみたら、この句は集中に9首10例ありました。
それら10例における「かも」の表記は、字音仮名(「可母」など)5例、訓仮名「鴨」(「今日毛鴨」「今日鴨」)5例でした。
助詞の「かも」を表記するのに、字音仮名に依らないとすると、まず頭に浮かぶ語は鳥の鴨だったということになりましょうかね。
訓仮名も面白そうです。♪
ということで、今日のタイトルは1300年の時空を越えて、万葉人の発想と繋がっているタイトルなのでした。←……いえ、そんな大それたものではありません。(^_^;
« 今日のはなちゃん(6) | トップページ | 片岡源五右衛門の書簡(贋) »
「動物」カテゴリの記事
- 東大で萬葉学会&東大構内のハチ公像(2024.10.13)
- ふり向けば君が…犬(2024.08.15)
- ふちやすみにゃんこ&柴犬(2024.06.14)
- 帰ってきたツバメ(2024.05.15)
- 合掌動物(犬)(2024.03.20)
「文字・言語」カテゴリの記事
- 『続日本紀研究』70周年記念号(2025.02.09)
- 明治37年の「因幡の兎」(2025.01.19)
- 長音表記&リンコルン(2025.01.14)
- 『起源でたどる日本語表現事典』(丸善出版)(2025.01.12)
- 伊予弁のバリィさん(2025.01.09)
「万葉集」カテゴリの記事
- 新町公民館で、大幅に遅れた万葉集講座(2025.02.05)
- 『トランヴェール』最新号の特集は「筑波山、万葉恋の話」(2024.11.07)
- 新町公民館で万葉集講座&ぐんまちゃんマスク(2024.11.06)
- 新町公民館で万葉集講座(2024.10.23)
- 東大で萬葉学会&東大構内のハチ公像(2024.10.13)
>助詞の「かも」を表記するのに、字音仮名に依らないとすると、まず頭に浮かぶ語は鳥の鴨だった
そういえば「鶴」もよく使われていますよね。「鴨」とくみあわせて「鶴鴨・・・つるかも」なんて例は30種近くもある・・・
http://infux03.inf.edu.yamaguchi-u.ac.jp/tmp/pdftmp205708.pdf(山口先生の検索システムで・・・)
どちらもなじみの鳥であったことと「つる」「かも」とよく使われる言い回しだったからなのでしょうね。
投稿: 三友亭主人 | 2015年8月12日 (水) 20時59分
なぜかリンクの部分に( )内の言葉まで含まれてしまいましたので、正確にリンク先に届きません。( )を取り除くと山口先生のシステムの検索結果に行きます。
投稿: 三友亭主人 | 2015年8月12日 (水) 21時02分
三友亭主人さん
あ、鶴もよく使われていますね。訓仮名は面白いです。
「縁語」ならぬ「縁字」のような感覚で、鳥を並べる意識もあったかもしれませんね。
検索は、昔に比べたら劇的に進化しましたね。楽になりました。
投稿: 玉村の源さん | 2015年8月12日 (水) 21時21分