「奈良京」木簡出土
ちょっと日が経ってしまいましたが、5月1日のアサヒコムに、平城京遷都時の木簡に「奈良京」と書かれたものが発見されたという記事が載っていました。4月30日に奈良文化財研究所(以下、奈文研)が発表したとのことです。
松陰神社やら、豪徳寺やら、月兎耳やら、奈良の鹿やらのことを書いているうちに、タイミングを逃してしまいました。でも、まほろぐは私の憶えでもありますので、書いておこうと思いました。
奈文研庁舎の建て替え工事に伴って出土した木簡45点のうちの1点で、時期は平城遷都当時のものとみられるとのことです。
これまで知られていた「奈良京」の表記は762年の正倉院文書だったそうですので、それを半世紀さかのぼることになり、また、遷都当時からこの表記が用いられていたということになります。
万葉集には、
平城京3-330、6-1045、8-1639
平城京師6-1047、19-4245
平城之明日香6-992
寧楽乃京師3-328、6-1044、8-1604
寧楽京3-331
などの表記が見えますが、これらはいわば好字を用いたもので、古くはポピュラーな字音仮名「奈」「良」の組合せが用いられていたということなのでしょう。
高松塚古墳やキトラ古墳の壁画も貴重だと思いますが、私はやはり字が出てくると嬉しいです。(^_^)
« 奈良の鹿愛護会会員証H27 | トップページ | 玉電の車両 »
「飛鳥・奈良」カテゴリの記事
- 飛鳥・藤原の遺跡群が世界遺産の国内候補に(2024.09.09)
- 『ならら』最新号の特集は「超 国宝」(2024.08.31)
- 『ならら』最新号の特集は「柳澤吉里」(2024.07.29)
- しかまろくん おいのり(2024.07.20)
- 『大美和』147号(2024.07.10)
>私はやはり字が出てくると嬉しいです。
私もです。いろんな発見が今年も報道されてきましたが、それらはワクワクって感じですが、こんな発見は興味津々ですね。これで・・・万葉歌人の誰か・・・人麻呂・・・なんて文字が発見されたりしたらたまりませんよね。
投稿: 三友亭主人 | 2015年5月13日 (水) 21時14分
三友亭主人さん
絵画や服飾、民俗学などを専門にしている方々は、きっと壁画を宝物のように思っていることでしょうが、私などはやはり文字ですね。三友亭主人さんも御同様ということで、嬉しいです。♪
稲荷山古墳の鉄剣銘は本当にワクワクしました。
万葉集の編纂に使われたとおぼしき木簡なんかが出てきたら嬉しいですよね。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2015年5月14日 (木) 00時04分