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2015年1月31日 (土)

城上・城下など

 先日の『日本地誌略字引』の大和国の郡名の条は以下のようになっています。
Chishiryaku07
 この国では、曽布、葛城、磯城の諸郡が早くに上下に分かれて、添上・添下、葛上・葛下、城上・城下になり、そんな表記でも、古くは、そふのかみ・そふのしも、かづらきのかみ・かづらきのしも、しきのかみ・しきのしも、と訓まれていたのでしょうが、いつの頃からか、字のままに訓まれるようになってしまったのでしょう。いつ頃からでしょうね。

 これらは、訓みと表記とが合っていないし、長いしで、無理もないですよね。もともと無理に二字に縮めてしまったわけですから。

 この本では、「上・下」の部分、添上・添下のみが「かみ・しも」と訓読み、葛上・葛下、城上・城下は「じょう・げ」と音読みですね。前の2組については、直上の「添」「葛」がそれぞれ訓読み・音読みなので、上・下もそれに揃えたのでしょう。

 「城上・城下」は古い時代にこの表記でそれぞれ「しきのかみ・しきのしも」と訓ませていたわけですから、その流れからは、「しきがみ・しきしも」と読んでも良いようなものですが、なぜか、「上・下」は音読されて、「しきじょう・しきげ」になっていますね。「しきじょう」というのが「色情」を連想させて嫌われたのでしょうかね。←かなりいい加減な思いつき。(^_^;

 「山辺」は「やまのべ」と訓んで貰いたいところですが、「やまべ」ですね。明治8年ともなると、なかなかそういう読みは伝承されていないのでしょうかね。

 すみません。今日の記事、取り留めがありません。うまくまとまらず、苦し紛れの記事になりました。

 もう少しましなことを書かねば。(^_^;

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コメント

先日もこの史料を興味深く拝見しました。

地名も面白いですが、語義の説明に使われている言葉が興味深いです。

漆器=スリモノ、に対して、属ス=フゾクスル、と対応していて、「付属」という漢語がかなり一般に(少なくともスリモノと同じくらいに)浸透していたらしいことがうかがえますね。

源さんの後輩さん

 丁寧にご覧戴き、ありがとうございます。

 源さんの後輩さんは、やはり一般の語の方に興味がおありなのですね。(^_^)

 なるほど。「属ス」の解説が「フゾクスル」なのですから、「属す」よりも「付属」の方が一般的な語であった可能性がありますね。

 漆器のことを「すりもの」ともいうのかと、興味を持って、日国を引いてみましたが、「すりもの」の項に漆器の意は挙がっていませんでした。「はて?」と思って考えたら、これ「スリモノ」ではなくて「ヌリモノ」ですね。

 さて、この本、ちょっとヘンだなぁとは思っていたのです。郡名や物産名はリストとしてよく理解できるのですが、例えば、ご指摘の「属」って固有名詞ではありませんし、なぜ項目として立っているのか不思議です。下の「重嶺 幽谷 人跡」も地理関係の語ではあるにしても、なぜ大和国の条にあるのか、不思議です。『日本地誌略字引』という書名も、分かるような分からないような書名です。

 調べてみたら、この書名は完全に独立した書名ではなく(そうではあるのですが)、『日本地誌略』という本の「字引」なのでした。字引といいますか、簡単な注釈ですね。

 明日(もう今日ですけど)、それについての記事をアップしますね。

「日本地誌・略字引」ではなく、「日本地誌略・字引」なのですね。「日本地誌略」は明治7年刊の日本で最初の地理の教科書だそうですね。だから、翌8年にガイド版がでたのですね。

 楫取素彦が群馬県令になったのが、明治9年。ちょうどこの頃、使っていた教科書の字引だと思うと、時代が近いような遠いような・・・

しーちゃんさん

 日本が近代国家として歩み始めた頃の教育資料ですね。

 西洋に追いつき追い越せという時代でしょうが、その一方で、ちゃんと日本のことも知らねば、という姿勢もあったことが嬉しいです。

失礼しました。漆器だからヌリモノですね。印刷物(本)の話に気をとられていたので刷物と読んでしまいました。

確かにこういう注釈書を「字引」といいますが、日本国語大辞典には「字引」について字典と辞典の意味しか記載がありませんね。不思議です。

次の記事も楽しみにしております。

源さんの後輩さん

 写本や木版本などには、紛らわしい字が結構ありますよね。なかなか厄介ですね。

 「字引」という語もなかなか奥が深そうですね。この本、『○○経音義』などといったお経の注釈書と形式が似ているように思います。

 今日書く予定の記事、楽しみにしてくださり、ありがとうございます。といっても、実は大した内容ではありません。(^_^; 肩透かしかも。(^_^;

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