静岡方言かるた
ネットオークションで手に入れました。方言かるたって、いろいろな県のが作られているようですね。山形、栃木、群馬などのを確認しています。
このかるたは、テレビ静岡制作で、読み札を読んだCD付きです。読み手はテレビ静岡のアナウンサー。
静岡も広いし、かつては、遠江、駿河、伊豆の3国から成っていたわけですから、ひとくちにざっくりと「静岡方言」と言ってしまって良いのだろうかという気もしますが。
取り札を何枚かご紹介します。
が:がんこがんこだに(※すごく頑固だよ)
け:けっこい花を部屋いっぱいに飾らまい。(※きれいな花を部屋いっぱいに飾ろう。)
と:とびっくらで一等賞!(※徒競走で一等賞!)
ぬ:ぬくとい風呂はたまらんけねぇ。(※温かいお風呂はたまらない。)
ま:まめったい男が近ごろモテモテだっちょー。(※かいがいしい男が近ごろモテモテだそうだ。)
る:るすから聞こえるネズミの鳴き声。(※天井裏から聞こえるネズミの鳴き声。)
「けっこい」というのを見て、学生時代の友人の斎藤くん(浜松出身)が使っていたなぁ、と思い出しました。もう40年も昔です。「けっこい」とは関係ありませんけど、彼は銀行のキャッシュカードを持たなかったんです。カードがあるとすぐにおろしてしまうからと。(^_^) しっかりしていました。
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方言と言えば、学生の頃、萬葉輪講でのことです。
巻七の1263
暁跡 夜烏雖鳴 此山上之 木末之於者 未静之
暁と夜烏鳴けどこの岡の木末の上はいまだ静けし
を読んでいたときのこと。三句目の「此山上」の訓について論議していたときのこと、「をか」やら「やま」やら諸本諸註釈の訓みがわかれているところをどうしようか・・・という話をしているとH先生が、方言で山のことを「もり」と言う地方があってなあ・・・と言うことを言い出されて私が「地元に大高森という山があります」と答えるとたいそうお喜びになり、「『この森の』という訓もありやな」とおっしゃったのが記憶に残っています。調べてみるとこの方言は宮城と東伊予(伊予は伊達の分家ですね)に分布しているらしく、こういったことも万葉集の研究には関わってくるのかと感心したものでした。
さっき調べてみたら新大系と釈注がこの訓を採用しているのに気がつきました。
投稿: 三友亭主人 | 2014年10月29日 (水) 10時33分
三友亭主人さん
その折のこと、強く記憶に残っていらっしゃるのですね。
よく分かる気がします。私もたまに恩師に誉められるまではゆかなくても、「そうかもしれない」と言われただけで、天にも昇るような気になりました。
人は誉めて育てるべきかもしれませんね。そのためには、あまり頻繁に誉めてもいけないのかも。(^_^; 難しいものです。
方言周圏論によれば、都から遠い地には古い時代の言葉が残っているということになりますので、方言は万葉集を読み解くヒントになりますね。
伊達の本家と分家との領地に同じ語形があるというのは、方言周圏論とはまた別の原因によるものでしょうから、こういうことにも気を配らないといけませんね。
新大系と釈注といえば、どちらもかなり新しい注釈ですね。「このもりの」は定訓になりつつあると言えましょうか。
素敵です。
投稿: 玉村の源さん | 2014年10月29日 (水) 22時31分