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2014年5月19日 (月)

ピアノのキー

 先日ご披露した、大正時代の料理本、まだあちこち眺めています。(^_^)
Pianokey
 あの本の末尾には「家庭重宝」と題する付録のページがあります。内容は、民間療法や生活の知恵です。

 その中に「ピアノ及オルガンのキー(白鍵)の汚れを除く法」という項目があります。中身は、軟らかな布にアルコールを浸して拭く、というものですが、「白鍵」に「しろかぎ」というルビが付いているのに目が留まりました。

 鍵盤を「かぎ」ということは、今は少なくとも一般には行われていませんよね。

 英語では、ピアノのキーも、タイプライターやパソコンのキーも、部屋のカギも kye ですけど。これは同音異義語というわけではなくて、元は同じなのでしょうか。

 同語だとすると、なぜピアノのキーと部屋のカギとが同じ語なのか? 英語の苦手な私には皆目分かりませんけど、無い知恵を絞って考えました。

 弦楽器の場合、弦のどの部分を押さえるかによって、無段階で様々な高さの音が出ますけど、ピアノの場合は、個々の鍵盤を叩いたときに出る音は決まっています。この鍵盤を叩けばドの音が出る、これを叩けばレの音が出る、……。それがあたかも、このカギを使えば1号室のドアが開く、このカギを使えば2号室のドアが開く、……ということと重なり合わないか。

 この鍵盤はドの音を出すためのカギのようなもの、この鍵盤はレの音を出すためのカギのようなもの、……ということで、ピアノの鍵盤もキーと呼ぶようになった。

 という語源説はどうでしょうか。そんなことすでに常識なのやら、全くのピント外れの考えなのやら、全く分かりません。(^_^)

 そもそもピアノのキーに「鍵盤」という訳語を与えたのはどういうことなのでしょうね。keyにはカギという意味もあるので、そのまま「鍵」という漢字を当てただけなのか、それとも、前述のような語源説を踏まえた上で「鍵」という漢字を当てたのか。

 様々に頭を廻らせました。ぼけ防止に役立ちそう。(^_^)

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コメント

この料理本には,おもしろいことが載っているのですね。

鍵盤てkeyboardと書くのですよね。
鍵がkeyで,盤がboardだから,私には違和感がありません。

小学校低学年の音楽では,鍵盤ハーモニカを演奏します。
私の小学生の頃は,ハーモニカで習いましたが,
今は,小さいときから鍵盤に慣れています。

萩さん

 コメントをありがとうございます。

 ううむ。違和感ありませんか。(^_^; 確かにキーボードをそのまま漢字にすれば「鍵盤」(むしろ「鍵板」?)になりますけど……。

 「白鍵」は今ならば「はっけん」と読むところですが、これを「しろかぎ」と読んでいるところに違和感を抱いたのが初めです。

 そこから進んで、英語のkyeという語について、その語義の「ピアノの鍵盤」と「部屋などのカギ」とがどう関連しているのかに興味を抱いたのでしたが。


妻が大学で音楽をやっていたので早速聞いてみました。

なんでも「key」という言葉は元々は関所とか要所という意味を示す語(今では大きな辞書の後の方にその意味が書いてあります)で、さらにはいわゆる鍵盤楽器という物はもともとピアノのような打弦楽器ではなく、オルガンのような風鳴楽器だったそうです。

オルガンなどの楽器の風を送る部分と、音を出す部分とを繋ぐ狭くなった所を遮る役割を果たしていた物がありますが、これが「key」と呼ばれていたそうです。そしてそこからその「key」を開け閉めする物自体を「key」と呼ぶようになり、それがずらりとならんだものを: keyboardというようになったそうです。

そう考えると、日本語の鍵盤の「鍵」という訳は、そのあたりの事情が分からずに当時(そして今も)、普通に使われていた訳語をそのまま使ったものであると考えられますね。

どこまで正しいかちょいと自信はありませんが、一応こんな所です。

 ご教示、どうもありがとうございます。kyeの語義の展開、大変によく理解できます。

 奥様にもどうぞよろしくお伝えください。

 わが説(というほどのものではありませんね。思いつきレベルです(^_^;)は、わずか半日で崩壊しました。(^_^;

 わりとよく思い付くのですが、多くはあえなく崩壊します。(^_^; でも、思い付かないと新説も立ちませんので、今後も、あれこれと考えて、あれこれ思い付いて行こうと考えています。

 思いつきが崩壊したときは、きちんと崩壊のご報告も致します。(^_^)

 ありがとうございました。

 あとは、大正時代に鍵盤を「かぎ」ということが一般的だったかどうかですね。日国の「かぎ」の項には鍵盤の意味は挙がっていませんでした。

 あの料理本は総ルビです。著者がいちいちルビを振ったわけでもないとすると、ピアノのことをよく知らない編集者(ちょっと大正時代の文化を馬鹿にしすぎかも(^_^;)が、よく分からないままに「かぎ」というルビを振ってしまい、校正の段階でも著者がそれを見落としたのかも。←などと、懲りずに相変わらず単なる思いつきを開陳しています。(^_^;

「鍵盤楽器とは、もともとは打弦楽器ではなく、風鳴楽器」だったのですね。
風を送る部分を遮る関所…なるほど、とても勉強になりました!
(サントリーホールにある、大きなパイプオルガンを思い浮かべました。)

私は学生時代に吹奏楽部でフルートを演奏していたのですが、
楽器の音(調)を変える時に抑える蓋のような部分(指で押さえる部分)を、やはり「キー」と呼びます。
(リコーダーで言うならは、音を変えるために指で穴をふさぐ部分ですね。)
フルートは、口から息(空気)を吹き込み音を出す管楽器ですから、
同じく、音を変えるために「風を遮る」わけで、やはり「キー」ですね!

今まで、何も考えずにキーと呼んでいましたが、
今回 このコメントを読み「風鳴楽器」と聞いて、「なるほど!」と納得しました。


のりすけさん

 コメントをありがとうございます。

 フルートを吹いていらしたのですか。フルートって、おしゃれな楽器というイメージがあります。♪

 フルートの部位の名にも「キー」があるのですね。機能からいえば、確かにオルガンの場合と通じ合うものがありますね。繋がりそう。

 私は、「キー」の原義を勝手にカギと理解して(あるいは決めつけて)、その先を考えていました。そういうことではいけませんね。反省しています。

 役にたつまほろぐ。(^_^)

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