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2014年5月 6日 (火)

大正時代の料理本

 『三百六十五日 毎日のお総菜』という本を入手しました。入手先はまたまたネットオークションです。
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 出品されていたこの本の写真を見ているうちに、その頃の人がどんなものを食べていたのか、関心が湧いてきて、買ってしまいました。自序には大正六年と記載されているのですが、奥付によれば大正十四年の刊行です。

 当時の食事に興味を抱いて買ったはずなのに、興味はやはり言葉の方に行ってしまいました。(^_^)

 以下に示すのは、目次からの切り貼りです。実際にはこれらの項目が並んでいるわけではありません。興味を惹かれた項目を抜き出しました。
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 「豚」は単独では「ぶた」、「鶏」は単独では「にはとり」というルビが付いていますが、「豚肉」「鶏肉」となると、ルビは「とんにく」「けいにく」です。「けいにく」は今でも使っていそうですが、「とんにく」は今では珍しいのではないでしょうか。

 今と違う語形として、「スチュー」「ビステキ」「キャベジ」「サラド」などが目に付きました。「ビーフステーキ」を縮めた形としては、「ビフテキ」の他に「ビステキ」もアリかと思いました。他の語形も原語と比べて、おかしくはありませんね。これらの語形、新発見というわけではなく、日国を見ると、『改正増補和英語林集成』や漱石、子規などの例が挙がっています。
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 トマトを「赤茄子」と言っています。トマトをそのように言うことは知っていましたが、ナマの資料は初めて見ました。(^_^)  隣に示した「赤蕪(ビート)」のように、「赤茄子(トマト)」のように示すことも可能だったでしょうに、それをしていないということは、「トマト」という語形はまだ一般的ではなかったのでしょうかね。

 「シャリベツアイス」は衝撃的でした。これ「シャーベット」のことでしょうね。ただ、日国で調べてみると、「シャリベツ 【舎利別】」の項には、「({オランダ}siroop の音訳「舎利別」を漢字読みした語)」とあり、「シャーベット」の項には、「({英}sherbet )《シャベット》」とあります。オランダ語のsiroopと英語のsherbetとは元は同語なのでしょうかね?

 「ケーキ」は「ケーク」となっています。「鮫の煮付け」食べていたのですね。「コロッケ」は「コロッケ」でした。「カレーライス」ではなく「ライスカレー」となっていました。

 あれこれそれこれ興味深いことが目に付きます。やはり同時代史料は見ていて楽しいです。(^_^)
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 大正14年8月に初版刊行以来、毎月数回もの版を重ねて、翌年2月には31版となっています。すごい勢いで売れた本のようです。

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史料・資料」カテゴリの記事

コメント

 大変面白いものを手に入れられましたね。

 Salad は、サラドの方が英語の発音に近いですよね。

 siroopはシロップと読めそうだけれど、なぜシャーベットがシロップ?と思い、ウィキペディアを覗いてみましたら、シャーベットは果物などから作ったシロップを水で薄め、砕いた氷を入れて冷やした飲料を意味するアラビア語「シャルバート」または、トルコ語の「シェルバット」に由来している、のだそうです。
 もともとは飲み物だったようですね。

 剥身のライスカレーの具は何でしょうね。剥き身というと貝を連想するのですが、シーフードでしょうか。そうだとしたらなんてハイカラな。

朝倉山のオニさん

 早速のコメントをありがとうございます。

 ほんと、楽しいものが手に入りました。(^_^) 見ていて飽きないです。実際に作ってみれば良いんでしょうけどね。レシピはそう詳しいものではありません。

 シロップとシャーベットとの関係、ありがとうございます。やはり元は一緒でしたか。

 剥き身のライスカレーの具は何でしょうね? 私も気になって、貝かなと思いつつも、本文を確認しそびれてしまいました。で、今、あの本、置いてきてしまって、手もとにありません。(^_^; すみません。金曜日の夜までお待ちください。(^_^;


 

興味深い資料をありがとうございます。
日国の用例では赤茄子は明治初期から料理の説明があるようですね。
トマトが一般的になったのはかなり後発かも。

キャベツも玉菜ではないんですね。語形が原語に近くておもしろいです。
鮫の煮付けはいわゆるワニ料理でしょうか。ググってみると今でもよくあるようですね。

奥付の増刷の勢いもすごいですが、ハイカラ料理ですね。
毎日の和食に加えて、時々ハイカラメニューということでしょうか。

源さんの後輩さん

 コメントをありがとうございます。楽しいものが手に入りました。(^_^)

 「トマト」という語形も明治初期からあることはあるようですけど、あまり使われてはいなかったのかもしれませんね。トマト自体がよく食べられるようになったのは昭和に入ってから(特に戦後)のようですので、その点では、この本、なかなか先進的ですね。

 古事記の稲羽の素兎をはじめとして、上代文献に出てくるワニが今の何に当たるのかについて、サメ説やワニザメ説があります。サメとワニとのこと、興味深いです。

 この本、おっしゃるとおり、基本的には和食で、ときどき洋食といった感じです。洋食の作り方を紹介しているあたりも、この本がよく売れた理由かもしれませんね。

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