明治3年の世界国尽くし
先日の『大日本道中記』に続き、また明治初期の史料を入手しました。今度のは『絵入 智慧の環』です。一種の教科書ですね。
明治3年の刊で、入手したのは明治6年の改訂版です。本来は四編8冊からなるうち、第二編2冊のみの端本でした。
第二編上の内容は世界国尽くしです。パラパラ見ているうちに、いくつか興味深いものが目に入りました。
北アメリカの地図で、今のカナダが「イギリスアメリカ」(原表記は漢字)となっていました。
大洋洲のリストで、今の「ニュージーランド」「ニューカレドニア」「ニューギニア」がそれぞれ「新じいらんど」「新かりどにや」「新ぎにや」(「新」にはそれぞれ「しん」のルビ)となっています。そして、呂宋(フィリピン)も大洋洲なのですね。
イギリスの国旗が、赤地で、左上の部分のみユニオンジャックになっています。
私は海外のことに疎いので、このようなあれこれに興味を持ったのですが、無知故の関心だったかもしれません。(^_^;
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またまた見入ってしまいました!!
明治3年の割りには領土の区分けがきちんと
描かれている(アラスカは1867年からアメリカ領
らしいです)と思ったら、著者は福沢諭吉の
お弟子さんなんですね。
ご本人も海外に視察に出たのか、諭吉から
聞いたり資料を読んだりしてまとめたものか
わかりませんが、初等教育教科書の草分けとか。
http://www.tamagawa.ac.jp/museum/archive/1991/018.html
他の巻には文法項目もあるようですから、
さらに惹かれます。
明治3年ごろは仮名垣魯文の西洋道中膝栗毛が
出た頃で、もちろん大人向けの戯作ということも
ありますが、海外に行ったことのない人たちが
伝え聞いた話をさも見てきたかのように
書いていた時代です。それはそれで、奇想天外で
面白いのですが、こちらの本は教育的で、
かつ内容的にかなり早いですね。
「新じいらんど」は初めて見ました。中国語を
そのまま取り入れた表記、呼び名はあったと思いますが
このような交ぜ書きは珍しいですね。
投稿: 源さんの後輩 | 2014年4月15日 (火) 23時39分
源さんの後輩さん
コメントをありがとうございます。この本もネットオークションでした。(^_^;
体系性もなく、興味を持ったものを次々に入札しています。(^_^)
やはり、同時代史料というのは楽しいですね。当時のあれこれがストレートに伝わってくる気がします。
著者は福沢諭吉のお弟子さんでしたか。
明治になったばかりだというのに、当時の人たちの前向きで積極的な姿勢はすばらしいですね。大いなるバイタリティーを感じます。
「新じいらんど」には目を見張りました。この伝で行けば、「ニューヨーク」は「新よーく」、「ニューデリー」は「新でりー」ということになりますね。
投稿: 玉村の源さん | 2014年4月16日 (水) 00時55分