古事記かるた
「古事記かるた」というのを買いました。万葉集のかるたは何種類もありますが、古事記のかるたは珍しいのではないでしょうか。
企画・制作は奈良県です。3月13日発売ということですので、まだできたてのホヤホヤです。
下はパッケージです。
6枚ご披露します。
読み札は以下の通りです。
あ:天宇受売 踊って神を 誘い出す
す:須佐之男は 出雲国に 追いやられ
や:八俣の大蛇 酒に酔わせて 退治する
お:大穴牟遅が 助けた稲羽の 素兎
な:長い糸 たどって行けば 三輪の山
く:草なぎの 剣が救う 危機一髪
高天原から追放されるスサノヲに髪の毛がありません。髪と爪とを抜かれてしまったのですね。(^_^;
どれも漫画のような絵で、親しめます。ほのぼのとした画風ですね。
ただ、かるたとしては、「どうなの」という点があります。普通、こういうかるたでは、「あ」の札は1枚、「い」の札も1枚、……ですよね。それでこそかるたとして成立します。
かるたを作る人は、ラ行のような少ないものも苦労して作るわけですよね。
でも、このかるた、「あ」の札が6枚もあります。以下の通りです。
あをによし 奈良の都で古事記でき
天照大御神は 天の岩屋に 世は闇に
天宇受売 踊って神を 誘い出す
荒波を 静めるために 身を捧げ
天翔ける 大きな白い 鳥になり
虻食べた 蜻蛉にちなむ 蜻蛉島
「お」は3枚。「い」や「く」も複数枚あります。これだと、「あ」で始まる読み札を読み上げて、「はーい」と取っても、それが正解の札なのかどうか確認がいります。すごく面倒臭そう。(^_^;
解説には、「『古事記』の世界に、子どもの時から(対象は小学四年生以上)楽しく遊びながら、親しんでもらうことを目的に、奈良県が作ったものです」とあります。
「あ」の札が6枚もあって、「どれだ?」と考えて取れば、その方が勉強にはなりましょうが、ちょっとハードル高すぎでは、と思います。
読み札のウラにはその札の内容の解説が書いてあります。そして、取り札を裏返して適切に並べると古事記地図ができあがります。以下の通りです。
ここに描かれている世界は、葦原中国、高天原、根之堅州国、綿津見神の宮です。黄泉国がありません。黄泉国は根之堅州国と同じと見ているのかもしれません。
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これはまたなんとも珍しいものを・・・と思ったら、我が県の企画でしたか。
なら記紀万葉プロジェクトの一環ですね。
それにしても3月13日発売のものを早くも見つけるとは・・・
並々ならぬ研究心・・・奈良県民として見習わねばと深く感じる次第です(笑)。
それにしても、とり札の裏の古事記地図はなかなか面白いですね。
投稿: 三友亭主人 | 2014年3月19日 (水) 06時34分
三友亭主人さん
あ、そのプロジェクトだったように思います。
たまたま、フルコトさんのツイッターで知って、ググってみたところ、発売元から通販で買えることが分かり、注文しました。
楽しいものが手に入り、満足しています。(^_^)
裏の古事記地図も楽しいです。あの地図に使われている絵の部分部分はかるたの絵札になっています。
投稿: 玉村の源さん | 2014年3月19日 (水) 13時22分
「あ」が何枚もあるのですか…同じもので始まるものが複数枚札。
百人一首のようですねぇ。
でも全部で50枚ということは、飛ばされた平仮名もあるってことでしょうか?
ちなみに、このコメント(&ひとつ前のコメント)は、
フランス領タヒチのボラボラ島から、ホテルのパソコンを使って打ってます!
(セントレジスというホテルです)
離島でもパソコンが出来るので便利ですね。
今、現地時間で午後7時35分。日本は何時でしょうね?
投稿: のりすけ | 2014年3月19日 (水) 14時36分
のりすけさん
じぇじぇ! タヒチからですか!? まほろば・まほろぐ始まって以来の海外からの投稿かもしれません。(^_^)
便利な世の中になりました。
のりすけさんの投稿のタイムスタンプは14時36分ですので、時差は5時間ということになりましょうか。
国際的なまほろぐ。……って、べつにまほろぐ自体が国際的というわけではないのでした。(^_^;
そちらは暖かそうですね。
古事記かるたは、全部で50枚のうち、歌謡編が5枚あります。こちらは百人一首のように、取り札は歌の下半分です。そして、残りは45枚ということになりますが、おっしゃるとおり「あ」だけで6枚もありますので、その割をくって、ない音の札もあります。さらに、「じ」なんていう濁音の札もあります。あれやこれや、普通のかるたのルールを軽やかに逸脱しています。(^_^;
投稿: 玉村の源さん | 2014年3月19日 (水) 15時13分
「かるた」の範疇を超えちゃうおおらかさ(?)いいですねぇ♪
「あ」の絵札の天宇受売 ちょっとエッチくて、上毛かるたの「よのちりあらう・・・」のように
男の子が勢いよく取るには抵抗ありそうな(^^;
町内の練習の時とかみんなそぉっと指先で端っこ触るんですよ(笑)
私が子供の時もそうでしたf(^^;;
にしても、裏に古事記地図が描かれていたり、楽しいかるたですね☆
投稿: うさうさ | 2014年3月19日 (水) 21時02分
うさうささん
普通のかるたのあり方とは随分離れてしまっているのはなぜなのでしょうね?
①同じ音で始まる札は1枚だけというルールを知らなかった。(^_^;
②絵札の内容もしっかり見た上で取って欲しいと考えている。
③古代人の心に迫るためにはおおらかでなければいけない。
どれでしょうね? (^_^)
上毛かるたの「よのちりあらう」にはそんなエピソードがあるのですか。私は群馬に住むようになってもう30年近くになりますけど、群馬で生まれ育った人間ではないので、やはり何年いてもこういうことはなかなか分かりません。深いものがありますね。
群馬の子、なかなか純情です。♪
投稿: 玉村の源さん | 2014年3月19日 (水) 21時54分
うさうささん、
そうでした!思い出しました!
上毛かるたの「よ」の札は、在処が判明しても
小学男子は冷やかしを恐れ「取らない」のが基本でした…(笑)
玉村の源さん、
タヒチは日本よりも19時間遅いようです!
来た時には一日得した気分で、帰国したら一日損した気分ですね〜。
先ほどお夕飯でセントレジス・ボラボラの寿司屋に行きましたが、
マグロの漬け丼とマヒマヒの握りずしが美味しかったです!
和とポリネシアのコラボ⁉
このパソコン、あえて履歴を消さないでおきますので、
誰かがこのサイトを見るかもしれませんね〜。
ちょっとだけ国際的??
投稿: のりすけ | 2014年3月20日 (木) 14時07分
源さん 個人的には③ いいですねぇ(笑)
のりすけさん そうそう!
今の子達も「よ」の札は男女問わず、自陣に来るのを嫌がります(^^;
大人になって見てると微笑ましいです♪
PC履歴からこのサイトが国際的に・・・\(^o^)/
投稿: うさうさ | 2014年3月21日 (金) 00時12分
のりすけさん
ううむ。上毛かるたの「よ」の札については、のりすけさんからも同じ経験をなさっているのですね。益々深いものがあります。女子は別に抵抗はないのでしょうか。
タヒチと日本との時差は5時間と思いましたが、逆向きで19時間でしたか。国際感覚のない私。(^_^;
マヒマヒ?? 聞いたことのない名前です。魚ですか?
パソコン履歴、次に使う人がクリックしてみてくれたら楽しいです。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2014年3月21日 (金) 01時17分
うさうささん
かるたのナゾの真相はどうでしょうね? (^_^)
確かに、「③古代人の心に迫るためにはおおらかでなければいけない。」だったら、楽しいですね。
かるたを作るとき、「あ」から「わ」まで、全ての音を札を1枚ずつ作るというのは、かなり大変ですよね。それに対して「あ」の札が6枚、無い音の札もある、なんていう方法で良いのなら、のびのびと作れますね。
③で正解かもしれませんね。(^_^)
上毛かるたの「よ」の札を敬遠するのは女の子もでしたか。(^_^)
投稿: 玉村の源さん | 2014年3月21日 (金) 01時27分