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2013年11月19日 (火)

「くっつきのを」?

Katsura_wo  「お」と「を」って、文字で書けば一目瞭然ですけど、音声言語で説明するとしたら、「を」はどう言いますか?

 私は「わ行のオ」以外の言い方をしたことがありませんし、聞いたこともありませんでした。

 ところが、今の職場に来てから、これを「重いオ」「難しい方のオ」「くっつきのオ」と言う学生がいるのに気がつきました。

 「なんと奇っ怪な」と思いました。新しい言い方なのか、それとも地域的なことがあるのか。

 昨日もたまたまこういう言い方に接しましたので、取り上げることにしました。

 小学校でそういう教え方をしているのでしょうかね?

 「くっつきのオ」って、意味不明でしたが、ググってみたら、助詞のことのようですね。助詞は名詞にくっついて使われるので。現代仮名遣いでは、「を」はほぼ助詞にしか使いませんので、そういう言い方をするのでしょう。

 でも、それは文法、語法から見た捉え方ですので、文字レベルで「を」を指し示す言い方としては適切とは思えません。

 「わ行のオ」というのが最も分かりやすくて正確だと思うんですけどね、そういう言い方をすることに何か問題でもあるのでしょうか? 不思議です。

 小学生にひらがなを教えるときに五十音図は使わないのでしょうか。早い段階で五十音図を使えば、「わ行」って、全く難しい用語ではないと思います。

 「くっつきの」って、ほんと面妖です。

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コメント

うーん、奇怪でしたか・・・(苦笑)

私も「くっつきのヲ」と習いましたよ。
記憶が定かではありませんが、おそらく学校でそういうふうに習ったのだと思います。
その言い方が「群馬県」という地方性なのか、年代によるものなのか。
よくわかりません(汗)

ちなみに、現在小学生の息子たち(神奈川県生まれ)は
「くっつきのオ」とも「重いオ」とも「難しいほうのオ」とも言いません。
そうして、「ワ行のオ」とも言いません!

「それじゃあ、何ていうの?どう説明するの?」と聞いたら、
「そんなこと言わないし、言ったことも無いから分からない」だそうです。

あえて言うなら、「ぅお」だそうです。
つまり、パソコンの入力文字(「WO」)のことらしい・・・(苦笑)
小3も小6も、毎日パソコンを使ってあれこれやっていますし。

または、「もういっこの方のオ」だそうです。

うーむ

私もそうですね。

今、かつて小学校で教鞭をとっていた妻に聞いてみたら
そんなふうに教えるような指導があったようですね…教師に対しても。

今はどうだかわかりませんが・・・

のりすけさん

 早速のコメントをありがとうございます。お子さん達にまで聞き取り調査をして戴き、恐縮です。(^_^;

 群馬県の学校(小学校)ではどうも「くっつきのヲ」と教えているげですかね。

 お子さん達の答え、その通りかもしれませんね。「を」を口頭で言う場面というのは、確かにそんなにないように思います。「ぅお」というのは本来の発音に近いはずですね。パソコンのキーボードから来ているにせよ、大正解と言えましょう。♪

 ひらがなを教わったばかりの子供たちに、助詞の「オ」「エ」「ワ」は、発音は「オ」「エ」「ワ」でも、字で書くときは「を」「へ」「は」と書くのだと教えるのはさぞ難しかろうと思います。「助詞」という言葉はまだ知りませんし、たとえ教えても、どれが助詞やら理解するのに時間が掛かりましょうしね。

 現代仮名遣いは、基本的には「発音の通りに表記する」という大原則がありながら、助詞の「を」「へ」「は」などのように例外が結構ありますね。

 現代仮名遣いを決めた人たちは、発音通りとはいっても、「ぼくわ ちかみちをとーって がっこーえ いった」という表記はバカっぽく思えて、到底容認できなかったのでしょうね。(^_^;

三友亭主人さん

 早速のコメントをありがとうございます。

 奥様にまで聞き取り調査をして頂きまして、恐縮です。

 奥様が学校の先生でいらしたのは奈良県ですよね。

 そうしますと、「くっつきのを」という教え方はかなり広範囲で行われていたのかもしれませんね。

 興味が増しました。

 「くっつきのを」というのは初めて聞きました。けれども、「助詞のを」という言い方は良く聞きます。着眼点としては共通していますよね。

 助詞という語彙を使えるようになってからも、小学校低学年で習った「くっつきのを」という呼び方だけが今に至るまで残っているのでしょうね。本来は、どこかで「助詞のを」という言い方に切り替えるよう指導がなされるべきだと思うのですが、それがあいまいなままだったのでしょう。
 そういえば、太陽をオヒサマと呼ぶ大人も、結構居ますよね。

 「ぅお」というのは興味深いですね。そのうち発音もそうなったりして。先祖返り。(笑)

 個人的には、「重いを」の方がびっくり。何が重いのでしょう。自立語にぶら下がるから?ぶら下がられた自立語が文句を言っているとか。(笑)

朝倉山のオニさん

 コメントをありがとうございます。

 オニさんも、「くっつきのを」や「重いを」ははじめてお聞きになりましたか。同世代です。(^_^)

 おっしゃるように、子供の頃に教わった言い方がそのまま保持されているのでしょうね。言い換えれば、その頃に習ったことがしっかりと頭に定着しているということになりますね。それはエライと思いますけど、やはりどこかで言い方を変えた方が良いように思います。

 「重いを」というのは、「お」よりも「を」の方が見た目が重量感があるということなのでしょうかね? ぶら下がられた自立語もそう感じているかもしれませんね。(^_^)

 様々な言い方が作られているようですけど、なぜ「わ行のを」では不都合なのかが分かりません。(^_^;

 かつておニャン子のファンだった頃、渡辺満里奈がソロデビューしたときの曲で、歌詞に出てくる「を」を「ぅお」と発音していて、「おお!」と思ったことがありました。そんなことを突如思い出しました。何という曲のどんな歌詞だったのか、もはや記憶はありません。(^_^;

 看板(?)の「を」の画像を差し替えました。

 前のはパソコンのフォントだったのですが、今度のは元暦校本万葉集から採りました。(^_^)

 51番歌、志貴皇子の「袖吹き返す明日香風」の歌の「都を」の「を」です。♪

をを!元暦校本からですか。

朝倉山のオニさん

 はい。(^_^) ちょっと凝ってみました。♪

 ハードディスクの中を捜したら、昔、スキャンしたデータがありましたので、それを使いました。

 でも、解像度が低かったので、拡大したらギザギザになってしまいました。(^_^;

 スキャンし直せばいいんですけどね。どうも、することがハンパです。そのうちスキャンし直して、滑らかなのに差し替えるかもしれません。

源さん

え?源さんは元暦校本をお持ちなのですか?

それは素晴らしい!

晴南さん

 私が持っているのは、昭和61年に勉誠社から刊行された4冊本の影印です。

 昭和60年に今の職場に勤め始めた、その翌年でした。500部かなんか(ちょっと記憶が曖昧)の限定版だったと思います。私費で買った他に、研究室にも買って、大学図書館にも買いました。当時、私は玉村町に住んでいましたので、地球上に500組しかないこの影印本が玉村町に3組もあったのでした。(^_^)

 今は予算が随分削られて、研究室と図書館と、両方に同じ本を買うということは難しくなりました。

源さん

500分の3が玉村にあったという事実も素晴らしいですね。


晴南さん

 当時、玉村町の人口は3万弱だったと思います。←「町」にしては結構多いかも。

 日本の人口の0.025%位の町に、この本の3/500があったというのはすごいことだと思います。(^_^)

 うちの大学は昭和55年開学の新しい大学ですので、設立当初、かなりの本を買ったようではありますが、それでもどうしても必要な本が足りず、私費や公費であれこれ本を買いました。

 西本願寺本も、そのころ普及版の影印本が刊行されたのはありがたいことでした。四国で新たに発見された天治本の複製の刊行もこの頃でしたね。

「こだわりの画像」への差し替えですね。
アカデミックでマニアックな世界でございます。

長文を読む際に、パソコンによる活字体は読みやすいけれども、
手書きの文字って、やはり綺麗ですね♪

のりすけさん

 はい。こだわりの画像です。(^_^) 活字よりも趣があると思いまして。でも、ギザギザ。(^_^; こだわりが中途半端でいけません。(^_^;

 そのうちスキャンし直しましょう。でも、スキャンし直すならば、元暦校本でなくても良いので、他の写本にするかもしれません。(^_^)

 文字って、伝達のための道具なのに、それを超えて、芸術作品にもなりますよね。すばらしいことだと思います。

 看板のギザギザの「を」がやはり気になりますので、新たにスキャンした画像と差し替えました。

 今度のは桂本万葉集です。763番歌から取りました。

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