群馬のことばと文化1
今年度もまた、リレー方式による県民公開授業「群馬のことばと文化」が始まりました。今年度は私が担当します。
第1回目の今日は、群馬県埋蔵文化財調査事業団の坂口一先生をお招きして「古墳時代における榛名山麓の火山災害」というテーマでご講義戴きました。
こういうテーマですが、メインは、昨年11月に発掘された、甲を着た状態で火砕流の直撃を受けた古墳人骨の話です。担当者の役得で、このテーマだけは何としても外せないと思って、選びました。(^_^)
スクリーンを使って、たくさんの写真を投影しながらお話しくださいました。
新情報としては、
・よろい人骨の身長は163cm程度で、当時の成人男子の平均身長160cmよりも若干大きいこと。
・近くで見つかった成人女性の人骨の身長は143cm程度であること。
・その女性は、火砕流の直撃によるものか、体が捻じれ、大腿骨を脱臼しているらしいこと。
・同じく近くで見つかった乳児の頭骨からは、残念ながらDNAは採取できなかったこと。
・よろい人骨は、よろいの下に短刀のようなものを身に付けており、それは左から抜くような向きで帯びているので、この男性は左利きの可能性があること。
などがありました。
頭部にCT(MRIだったかも)を当てるなどして、調査は続行中ですので、さらに新たな発見があるかもしれません。楽しみです。
よろい人骨は、もうよろいを外されているそうで、その写真も見せて戴きました。
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いろいろなことがわかってきているのですね。
火砕流に一気に巻き込まれたという状況が人骨の有様からわかるなんて素晴らしいです。
投稿: 晴南 | 2013年10月 8日 (火) 21時21分
晴南さん
よろいを着たまま発掘された古墳時代の人骨というのは初めてだそうで、なかなか興味深いですね。
うつぶせの状態で埋っていたので、ひょっとするとデスマスクのようなものがとれるかもしれない、と聞いたことがあるのですが、昨日はそういうお話しは全くありませんでした。ダメなのかもしれません。
また、頭部の下に何か埋っている可能性があるような話も聞いたことがあります。これはどうでしょうね。
今後まだまだ新しいことが分かりそうで、わくわくします。
何か新しい情報を得たら、ブログでお知らせしますね。
投稿: 玉村の源さん | 2013年10月 8日 (火) 22時31分