2018年4月22日 (日)

『広辞苑』初版のオ列長音表記

 先日来話題にしている件、『広辞苑』の初版を見てみました。
Kojien01
 『広辞苑』は昭和30年の5月に初版が刊行されました。私が持っているのは昭和39年の1月に刊行された初版の第十二刷です。
Kojien02
 私が中学に入学したのがこの年の4月。入学時に親に買って貰いました。入学祝いというわけではなく、これから本格的な辞書が必要になるからということでした。

 1枚目の写真のように、背表紙がデコボコしています。これ、長らく造本ミスと思っていました。背表紙をつけるときに空気が入ってしまったのかと。

 それが、数年経ってから、もともとこういう装幀なのではないかと気づきました。見返しにも「装幀 安井曾太郎」とあります。背表紙にこういう絵柄のデコボコを施した装幀は、当時のみならず、今に至るまであまり見たことがありません。岩波書店、力が入っていたのでしょう。

 さて、『広辞苑』初版の見出し語の表記はおおむね「現代かなづかい」と同じですが、1つだけ大きく違うところがあります。凡例に次のようにあります。
Kojien03
 見出し語は表音式かなづかいにより、国語・漢語の長音は「う」で表すとあります。これではあまりピンときませんが、具体的には次のようになります。
Kojien04
 「被う・覆う」が「おうう」というのは違和感があります。

 「狼」は「おうかみ」となります。
Kojien05
 ただ、解説文中には「チョウセンオオカミ」の語があり、見出しの表記と一致しません。

 「蟋蟀」は次の通りです。
Kojien06
 こちらも、見出しの「こうろぎ」に対し、解説文中には「こおろぎ科」「エンマコオロギ」「和名コオロギ」とあり、やはり見出しの表記と一致しません。

 「はて??」と思い、凡例を見てみました。見出し語については上に示したとおりですが、解説に関しては次のようにあります。
Kojien08  
 これによれば、解説文については、「原則として」とはあるものの、当用漢字、新字体、現代かなづかいを用いるとあります。それで、見出し語と解説とで表記が異なる事態が生じてしまったことになります。

 不統一で、奇妙ですね。

 『広辞苑』がなぜこのようなことをしたのか考えてみました。以下、推測ですが、解説は国の方針を重んじて「現代かなづかい」に準拠したのでしょう。一方、見出し語が表音式なのは、辞書を引くときの便宜に配慮したのだと思います。

 つまり、「現代かなづかい」は基本的には発音通りでありながら、例外がいくつもあります。「オー」と発音する語についても、歴史的仮名遣いが「あう」「かう」「さう」「たう」……のものは「おう」「こう」「そう」「とう」……と表記する一方で、歴史的仮名遣いが「おほ」「こほ」「そほ」「とほ」……のものは「おお」「こお」「そお」「とお」……と表記します。

 これでは、それぞれの語の歴史的仮名遣いを知らないと「現代かなづかい」の表記が分からず、辞書を引くときに不便です。

 そういう理由で、見出し語については、「オー」と発音する語はすべて「おう」「こう」「そう」「とう」……と表記することにしたのではないでしょうか。これならば、「現代かなづかい」が分からなくても辞書を引くことができます。昨日の『明解国語辞典』『例解国語辞典』も同様かと思います。

 そういうことであれば、趣旨はよく理解できます。ただ、この方式では、辞書を引くときには便利でも、その語の「現代かなづかい」は明示されないことになります。辞書の見出し語の表記は、その語の正式な(あるいは標準的な)書き方を示していると一般的には理解されましょう。

 学校の試験で、「狼」の読みをつけるときに「おうかみ」と書いたら不正解とされましょう。その時に「『広辞苑』には「おうかみ」とあります」と言ってこられたら混乱が生じましょう。

 そういうことがあったのかどうか、はたまた別の理由からか、『広辞苑』の第五版(1998年=平成10年)では見出し語も解説も「現代仮名遣い」になっていました。

 凡例の見出し語の部分。
Kojien10
 同じく解説の部分です。
Kojien11
 今、手もとにある『広辞苑』は初版と第五版だけですので、この方針転換が第二版~第五版のどこで生じたのかは分かりません。

 「映画かるた」の見慣れない仮名遣いから思わぬ展開をみました。辞書における見出し語の仮名遣いが検索の便から選ばれたのだとしたら、「映画かるた」の仮名遣いとは分けて考える方が良いのかもしれません。

2018年4月21日 (土)

「現代かなづかい」と「現代仮名遣い」(お詫び、訂正)

 現代仮名遣いに関する先ほどの私の文章、用語(用字)が不適切でした。

 昭和21年11月16日付けで「内閣訓令第八号」「内閣告示第三十三号」として、「内閣総理大臣 吉田茂」名で出されたのは「現代かなづかい」。

 昭和61年7月1日付けで「内閣訓令第1号」「内閣告示第一号」として、「内閣総理大臣 中曽根康弘」名で出されたのは「現代仮名遣い」です。

 本来、「現代かなづかい」と表記すべきところを「現代仮名遣い」と書いていました。

 不正確、不適切な表記をしていたことを反省し、訂正致します。

オ列長音について(辞書の見出し)

 昨日のブログでご紹介した「映画かるた」の仮名遣いについて、昨日今日、お二方から御教示頂きました。

 お一方は友人の木下信一氏からで、「映画かるた」と同様の仮名遣いは、金田一京助氏編(実態は見坊豪紀氏編だそうですが)の『明解国語辞典』でなされているとのことでした。この辞書の初版発行は昭和18年ですが、現代仮名遣いが制定されたあとに発行された改訂版でも同様だそうです。

 そして、今日、蜂矢真郷先生からは、時枝誠記氏編の『例解国語辞典』も同様であるとの御教示を頂きました。

 ブログをご覧いただいている上に、御教示まで頂いて、大変にありがたいことです。

 下は、たぶんその辞書のものと推定される画像です。
Shinko
 昭和21年に答申された現代仮名遣いは、歴史的仮名遣いを原則として発音通りにすべく決められたものですが、例外も多いですね。

 昨日の点に関しては、歴史的仮名遣いの「あう」「かう」「さう」「たう」「なう」「はう」「まう」「やう」「らう」を「おう」「こう」「そう」「とう」「のう」「ほう」「もう」「よう」「ろう」と表記するという方式ですが、「映画かるた」は、これらを「おお」「こお」「そお」「とお」「のお」「ほお」「もお」「よお」「ろお」と表記しているのでした。

 確かにこちらの方が、より発音に近いでしょう。ただ、さらに言えば、「おー」「こー」「そー」……のように、長音記号を使う方が、より発音に近いと言えそうです。

 「水戸黄門」は「みとこおもん」ではなく「みとこーもん」になりましょう。でも、長音記号を使うと軽い印象になりますよね。固有名詞で「おーともりゅーたろー」と書かれたら、本人はイヤでしょうね。(^_^;

 また、長音記号は、記号であって仮名ではないので、長音記号を使ってしまっては仮名遣いとは言えないかもしれません。

 たまたま気づいた「映画かるた」の仮名遣いでしたが、なんか深みにはまりそうになっています。(^_^;

2018年4月20日 (金)

昭和30年代の「映画かるた」

 このようなかるたを入手しました。
Eigacard01
 絵札から何枚かご披露します。
Eigacard02
 右上から横へ、大河内伝次郎、月形龍之介、片岡千恵蔵、市川右太衛門、大川橋蔵、中村錦之助、北大路欣也、高倉健です。懐かしい面々です。

 対応する読み札は次の通りです。
Eigacard03
 大川橋蔵と北大路欣也の両方に「凛々しい」が使われていて、やや工夫が足りません。(^_^)

 しかし、男性ばかりになってしまいました。女性もいるのですが、あまりパッとしません。←失礼。(^_^;

 女性陣の読み札は、「若鮎のような桜町弘子」「眼もと涼しい丘さとみ」「娘役には大川恵子」など、男性陣とは異なり、作品や役名と絡めたものがありません。女性を主役にした作品が稀だったせいではないかと思います。

 このかるた、著名な俳優が並んではいますけど、思い付くままに挙げてみれば、長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎、三船敏郎、鶴田浩二、山本富士子、山田五十鈴、淡島千景、若尾文子、原節子などがいません。

 どうもこのかるた、東映の俳優限定のように思えます。色々と権利関係等があるのでしょうか。

 奥付等が全くなく、いつのものか分かりませんが、上に示した8枚の絵札にはそれぞれ作品名が書かれています。

 大河内伝次郎「大菩薩峠」、月形龍之介「水戸黄門」、片岡千恵蔵「はやぶさ奉行」、市川右太衛門「謎の紅蓮塔」、大川橋蔵「鮮血の人魚」、中村錦之助「ゆうれい船」、北大路欣也「黄金の伏魔殿」、高倉健「青い海原」です。

 このうち「水戸黄門」以外は全て昭和32年の作品です。月形の「水戸黄門」は何作も作られていますが、昭和32年の作品もあります。

 この8枚しか確認していないというのがツメの甘いところながら、このかるたは昭和32年頃に作られたものと思われます。

 千恵蔵の「はやぶさ奉行」は、昭和32年とはいっても、暮も近づいた11月17日公開とのことですので、このかるたが製品化されたのは、年が変わった昭和33年かもしれません。

 読み札を見ていて、上の例でいえば、水戸黄門(みとこおもん)、遠山金四郎(とおやまきんしろお)、次郎丸(じろおまる)というルビに興味が湧きました。

 全体を見ると、こういった例には、江原真二郎(えばらしんじろお)、大友柳太朗(おおともりゆうたろお)、進藤英太郎(しんどおえいたろお)、杉狂児(すぎきよおじ)、扇太郎(せんたろお)、西郷隆盛(さいごおたかもり)、颯爽(さつそお)、上手(じよおず)、少年(しよおねん)、洋舞(よおぶ)、乱戦乱斗(らんせんらんとお)がありました。

 現代では「おう」「こう」「そう」「とう」「のう」「ほう」「もう」「よう」「ろう」と書くところが、「おお」「こお」「そお」「とお」「のお」「ほお」「もお」「よお」「ろお」となっています。これ、当時としても一般的な仮名遣いではなかったと思います。

 そんなことも含めて、やはり同時代資料は楽しいです。(^_^)

2018年4月19日 (木)

偏光フィルター(PLフィルター)の効果

 昨日、自由が丘で撮した猫の写真、ガラスに風景が写り込んでしまっていて、不出来でした。

 偏光フィルターがあれば解決するかと思い、買ってしまいました。某アマゾンに注文し、今日の午後届きました。

 で、偏光フィルターの効果を確認すべく、また自由が丘に行ってきました。オニですな。(^_^;

 昨日の八千代銀行の猫、偏光フィルターを使わないとこんな感じです。
Jiyuneko25_2
 使った場合。
Jiyuneko26
 猫自体の部分はあまり変わりませんが、猫の左側の空間が大きく違います。不使用では景色がかなり写り込んでしまっていますが、使用した場合は写り込みが綺麗になくなっています。

 もう1枚。不使用の場合。
Jiyuneko29
 使用した場合。
Jiyuneko30
 こちらは、映り込みが完全に消えるまでのレベルには行っていません。薄らいだくらいではありますが、効果はありました。特に顔のあたりや猫の向かって左側。

 2組とも斜めからの撮影です。同封されていた説明書によれば、偏光フィルターは30度~40度で効果が最大になるそうで、真正面(90度)では効果がないそうです。

 せっかく買った偏光フィルター、あれこれ試してみようと思います。

2018年4月18日 (水)

自由が丘で猫めぐり(2)

 一昨日の猫めぐりで、時間切れのため1行だけ行けなかった八千代銀行に行ってきました。

 「交差するとき」(八千代銀行)です。
Jiyuneko20
 行内ではなく、外に面したショーウインドウに展示してありました。ガラスの反射のために撮影が難しかったです。方向を変えてみたりしましたけど、無理でした。

 偏光フィルターを使えば反射を防げたかもしれません。偏光フィルターは、大昔にフィルムカメラを使っていた頃に1枚だけ買ったことがありました。部屋を探せば見つかるかもしれませんが、口径が合うかどうか分かりません。今後もガラス越しに何かを撮る機会はありそうです。新幹線の窓越しに関ヶ原とか。1枚買っておいても良いかもしれませんね。

 さて、八千代銀行の猫、この企画のパンフレットにはこのような写真が載っていました。
Jiyuneko24
 一見、顔の角度が異なって見え、同じ作品なのか疑問に感じましたが、撮影角度のせいのように思います。

 一昨日撮した写真の中で、「ink」(野村證券)がピンボケでしたので、撮り直しました。
Jiyuneko21
 2日とも猫にばかり意識が行っていました。このイベントには猫以外のものもあります。

 野村證券の入口前に低い柱状のものが立っています。車止めでしょうか。右手前の赤っぽい作品は「街の呼吸」だそうです。
Jiyuneko22
 もう1枚。
Jiyuneko23
 左側の黄色いのは「微かな光」、右奥のは「ヒロストリート」です。

2018年4月17日 (火)

115系のクリアファイル

 高崎駅構内の土産物店で見つけました。先月で定期運行を終了した上越線115系のクリアファイルです。
Arigato115a
 もうこの車両に乗れないのかと思うと寂しい思いがします。

 でも、このクリアファイルの左下にも書いてありますように、これ、湘南カラーと呼ばれる塗装色ですよね。そういう意味では、本来は東海道線の色という気がします。

 ウラです。
Arigato115b
 アップになっているのでよく分かりませんが、乗務員室のドアの脇でしょうかね。

2018年4月16日 (月)

自由が丘で猫めぐり

 自由が丘でこのような催しが行われています。
Jiyuneko01
 主催は都市再生推進法人ジェイ・スピリット、共催は東京藝術大学のデザイン科清水研究室と彫刻科北郷研究室、自由が丘商店街振興組合です。
Jiyuneko02
 自由が丘の街の魅力をより高めるための提案を、アート&デザインの視点から行うという趣旨だそうです。野村證券がメイン会場です。
Jiyuneko03
 この催しの1つに「猫のある街展」があります。自由が丘の華やかさのイメージは自由でしなやかな猫の存在が似合うということで、猫が選ばれたようです。

 自由が丘の金融機関14店舗に東京藝大の北郷研究室の教員や学生さん達が制作した猫の作品が置かれています。今日、一回りしてきました。自由が丘に金融機関の店舗が14もあるとは思いませんでした。

 「ink」(野村證券)
Jiyuneko04
 「まぼろし」(野村證券)
Jiyuneko05
 「夜」(みずほ銀行)
Jiyuneko06
 「たたずむ」(みずほ銀行)
Jiyuneko07
 「無題」(三井住友銀行)
Jiyuneko08
 「ねこだいふく」(大和証券)
Jiyuneko09
 「不機嫌な猫」(みずほ信託銀行)
Jiyuneko10
 「ひととき」(みずほ証券)
Jiyuneko11
 「心象の猫」(三菱UFJ信託銀行)
Jiyuneko12
 「日向」(三井住友信託銀行)
Jiyuneko13
 「とら」(SMBC日興証券)
Jiyuneko14
 「Devon Rex」(横浜銀行)
Jiyuneko15
 「ぽかぽか」(アイザワ証券)
Jiyuneko16
 「ぬくもり」(城南信用金庫)
Jiyuneko17
 「景色の居場所」(あおぞら銀行)
Jiyuneko18
 ここまでで13行です。

 あと1つ、八千代銀行があるのですが、時間切れになりました。明日は行けませんが、水曜日か木曜日に行ってこようと思います。

 会期は木曜日(19日)までです。

 作品は、外から見える場所に展示してある店もありましたが、行内にある店の方が多かったです。入口を入ると、すぐに案内係や警備員が寄ってきて、「どのようなご用でしょうか?」と聞かれる場合が多かったです。「猫はどこでしょうか?」と聞くとすぐに通じました。猫だけ撮して去って行くというのも悪い気がしましたが、といって、何か買うというわけにもゆきませんので、お礼だけ言って失礼しました。どこも愛想良く対応してくれました。

 色々な作品を撮っての感想は、「黒猫を撮るのは難しい」です。(^_^)

2018年4月15日 (日)

有田焼カレー

 昨日アップした「西郷どん丼」と同じスーパーで買いました。有田焼カレーです。
Aritacurry01
 第7回九州の駅弁ランキングで第1位に輝く実績を持っているようです。

 有田焼の容器に盛ってあります。
Aritacurry02
 電子レンジでチンして食べました。
Aritacurry03
 これ、列車の中で冷たいままで食べてもおいしくないでしょうね。持ち帰って温めて食べるのを前提としているように思えます。

 とてもおいしゅうございました。

 食べた後の容器。
Aritacurry04
 高台。
Aritacurry05
 家の中を片づけねばと思う一方で、ものが増えてゆきます。(^_^;

2018年4月14日 (土)

西郷どん丼

 近所のスーパーで買いました。
Saigodondon01
 このスーパー、時々駅弁を扱ってくれるのでありがたいです。

 今回のは鹿児島県出水駅の駅弁です。多分鹿児島駅でも売っているのではないでしょうか。
Saigodondon02
 原材料名は以下の通りです。
  ・味付めし
  ・黒豚みそたれ焼き
  ・玉子焼き
  ・さつまいもレモン煮
  ・だいこん塩漬
  ・白ごま

 今年のNHK大河が「西郷どん」ですが、それで作った駅弁というわけではないようです。掛け紙に次のようにあります。
Saigodondon03
 ややはっきりしませんが、これによれば、この駅弁自体は以前からあり、大河を前に、ゆかりの人物のイラストを掛け紙に加えた、ということのように思えます。

 大河の読みは「せごどん」ですが、この駅弁は、掛け紙のローマ字によれば「さいごうどんどん」です。

«世田谷線の招き猫電車に乗車

2018年4月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

ウェブページ